日本ハム打線が、待望の開花宣言だ。3回、中田翔内野手(32)の安打を皮切りに今季最多1イニング5得点の猛攻を仕掛け、オリックスに勝利。本拠地札幌ドーム10試合目にして、今季初勝利を挙げた。不振で3試合ぶりスタメンの復帰となった主軸がチームをけん引。北の大地に漂い始めた春の陽気とともに、チームも浮上していく。

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北海道まで快調に上昇してきた桜前線にいざなわれ、日本ハム打線も待ちに待った開花宣言だ。0-0で迎えた3回。口火を切ったのは、眠っていた中田だった。10年ぶりに「7番」での出場。定位置の「4番」を離れたが、5打席ぶりの安打となる右前打。1ストライクからの2球目、山崎福の直球142キロを流し打ちで運んだ。

試合前の時点で、打率1割8分7厘。不振から22日は欠場し、23日は代打での途中出場に終わっていた。栗山監督は数日間にわたり「いろんな話をした」と振り返る。1度、試合から離し、客観的に野球と向き合う時間を設けた。「1カ月くらい外そうと思っていた」とジョークを交えたが、打線に欠かせない主軸の復調を強く願っていた。

悩める主砲の一打から、今季最多1イニング5得点の猛攻につながった。郡の決勝打、渡辺の2点二塁打。西川のダメ押しの2号2ランが出ると、客席は西川のイメージカラーであるピンク色のグッズで揺れた。西川は「今日の試合展開は、本当に理想。得点圏でしっかりランナーをかえす仕事をおのおので出来れば、いい試合運びになる」と納得した。

負の連鎖を止めた。本拠地札幌ドーム10試合目で、待望の今季初勝利。球団ワーストタイまで及んだ本拠地での連敗記録にピリオドを打った。栗山監督は「今日は本当に、応援のおかげで結果を出すことが出来た試合。本当に感謝しております」と、1万8170人の観衆に最敬礼した。

25日に勝てば4カードぶりの勝ち越しとなるが、指揮官は「中心になっている選手たちの調子が一気に上がらないと、大きな連勝にはならない。今は連敗しないように気を付けてやるだけ」と手綱を引き締める。春本番とともに、打線を一気に花開かせる。【田中彩友美】

日本ハム渡辺(3回に左翼線2点二塁打。今季初の複数打点)「追い込まれていましたが、気持ちで食らいつきました。郡が先制打を打ってくれたので、楽な気持ちで打席に入ることができました。いい結果につながってよかったです」

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