お口の恋人はロッテ、ラオウの恋人もロッテ!? オリックス杉本裕太郎外野手(30)が、今季2度目となる1試合2本塁打で、プロ入りから目標だった2桁本塁打に初めて到達した。10本塁打のうち8本をロッテ戦で放っており“ロッテキラー”襲名の予感だ。

定着しつつある右手を突き上げる「昇天ポーズ」は本塁打を放った後のファンへの“ご褒美”で、ラオウ杉本自身は「休日に食べる甘いもの」が好物だという。チーム屈指の甘党で「活躍したときのご褒美ですね。たまに食べるのが良い。パンケーキとかスタバのフラペチーノとか。本当は毎日、食べたいですけど、とにかく我慢しています」と190センチの男は笑って語る。

基本的に試合のある日は口にしないが、ロッテ戦では甘いモノを発見して? 目の色が変わっているのかもしれない。

この日は2回に先制9号ソロ。「外野は越えるかなと思っていましたが、スタンドまで届くとは思っていなかったので、先制の本塁打になってくれてよかったです」。ロッテ岩下の外角高め147キロ直球を逆方向の右中間に押し込み、自身も驚きの表情だった。3点を追う8回には2点差に迫る10号ソロ。唐川の高めカットボールに反応した。「浮いてきたボールをしっかりと捉えることができました。(2桁アーチは)入団してから目標にしていた数字なのでうれしいです」。

球団の日本人右打者の2桁アーチは15年の安達、中島以来6年ぶり。和製大砲の出現に、中嶋監督も「飛ばすのは分かっている。打つべきボールと見逃すべきボールがはっきりすれば、それなりに、と思います。しっかり対応できたのかな」と2発の内容を評価した。

チームは4月1日以来の勝率5割復帰に8度目の失敗。ただ、指揮官は「何回であろうとチャレンジする。5割を目指してるわけじゃない。そこが終わりじゃないんで」と前を向く。

ラオウ杉本の1試合2発のように、敗戦の中にも、収穫がある。【真柴健】