オリックス先発の宮城大弥投手(19)が、両リーグ最速の10勝を達成した。後半開幕の敵地ロッテ戦で6回を2失点。10代での12球団最速2桁勝利は、1987年(昭62)の桑田真澄(巨人)以来34年ぶりの快挙だ。攻撃陣もラオウこと4番杉本裕太郎外野手(30)と、東京五輪帰りの3番吉田正尚外野手(28)の“青学先輩後輩コンビ”の1発競演などで6得点。首位オリックスが投打がっちりの快勝で、後半白星発進を決めた。

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先輩からの愛情表現に、宮城は「10勝目」という結果でお返しした。「先輩ですけど…やっぱり、あの人はかわいいですね(笑い)。ツンデレ系じゃないですか?」。3歳上の山本由伸のことだ。

山本が東京五輪で金メダル獲得に貢献している期間に大阪・舞洲でこっそりと教えてくれた。「意外と、LINEにハートマーク送ってきたりするんですよ!」。あどけない笑顔の宮城が、こちらの胸をキュンとさせる。

今回は“愛のムチ”を入れられてのマウンド。「後半戦1発目はマジで大事。絶対勝てよ!」と山本から真顔で背中を押された。山本が宮城に向ける本気と冗談については「半々だと思います。本当はめちゃくちゃ優しいんです。(山本が)暇してるときは僕の相手もしてくれます」。

先輩からも託された後半戦開幕戦で白星スタート。堂々の勝ち頭ながら「由伸さんが帰ってきたら控えめに…」と首をすくめて帽子のつばをさわる。もっと堂々と胸を張ってもいい。【オリックス担当=真柴健】