広島がヤクルトに敗れ、佐々岡広島が最下位に転落した21日、2軍の由宇練習場では、会沢翼捕手(33)が紅白戦にフル出場した。

会沢は6月15日西武戦(マツダスタジアム)の8回の守備で三本間の挟殺プレーの際に左足を痛め、翌16日に出場選手登録を抹消された。「左下腿腓腹(かたいひふく)筋挫傷」と診断され、長いリハビリを経て、8月19日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦で実戦復帰。その日は先発出場して1イニングだけで途中交代した。6月は下半身のコンディション不良から復帰した直後に離脱となっただけに「体と相談しながらやらないといけない。紅白戦と他球団を相手にする試合ではやっぱり違う」と再発防止に努めながら1軍昇格を目指していく。

この日は中村祐や小林らとバッテリーを組んで、3打席に立って1安打だった。1打席目の三遊間の当たりでは懸命に走り一塁を駆け抜けた(記録は遊ゴロ)。2打席目には岡田から右前に実戦復帰後初の安打を放った。広島2軍のウエスタン・リーグが再開する27日の中日戦から徐々に強度を上げていくことになりそうだ。

今はまだ見守ることしかできない1軍の戦いに「選手は一生懸命頑張っているし、若手も一生懸命やっている」と復帰への励みとしている。ただ、一方で勝敗だけでない、チームに欠けているものも感じている。

「一生懸命やるだけでは野球は覚えていかない。(1軍の試合を見て)気付いたこともたくさんあるので、そこを伝えるのは僕がやらないといけないことだと思っている。(自分が)試合に出る、出ないというよりも、助けてあげられることがあるんじゃないかと。今試合に出られている選手も、試合に出られるのは当たり前じゃない。そこに感じることもある」。

個々として、チームとして、やるべきことをやらなければチームは上向いていかない。残り試合も少なくなっているだけに、広島の精神的支柱である会沢の1軍復帰が待たれる。【前原淳】