日本ハムがメットライフドームで、また悪夢を見た。西武13回戦は最大7点リードを守れず、84年に記録した球団最多に並ぶ13度目の引き分けに終わった。7点以上のリードをしながら勝てなかったのは19年5月15日楽天戦(楽天生命パーク)以来2年ぶりで、同球場では3年ぶり。うまくいかない現状が詰まったような、重苦しい結果に終わった。

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後半戦初の連勝へ、石橋をたたいたつもりが結果的には、たたき割ってしまっていた。負けに等しい引き分けに栗山監督は「申し訳ない。相手より点を多く取って終わるゲームだった」と悔やんだ。

4点リードの7回に登板した堀が、打者一巡の猛攻を受けて同点とされた。42試合目の登板で、1試合4失点は今季ワースト。リーグトップの25ホールドと獅子奮迅の活躍をしてきた5年目左腕は責められない。最大7点リードを奪いながら、堀を投入せざるを得なくなったことが最大の誤算だった。

悪夢の起点は失策だった。5回先頭の西武愛斗の遊ゴロを石井がエラーし、直後に先発加藤が源田に2号2ランを被弾した。1死を挟んで、さらに加藤は3連打を浴びて、この回は一挙4失点。加藤は「5回に粘り切れず、空気を悪くしてしまったと思います。長いイニングを投げられず、ブルペン陣に負担をかける結果になり申し訳ないです」と、降板後に振り返った通りの試合展開となって5月12日以来の白星を逃した。

メットライフドームでは3年前の18年4月に8-0から8-9の大逆転負けを喫したことがある。さらに、同球場の夏場の試合では失策が黒星につながる、手痛い試合を近年は繰り返してきた。また、大きな課題を突きつけられた、埼玉の夜。栗山監督は「こっち(首脳陣)が7点取って(選手に)勝たせてあげられなかった。それだけ」と選手を責めることはなかったが、苦境を打破しきれないもどかしさだけが試合後に残った。【木下大輔】