岩手出身のロッテ佐々木朗希投手(19)が、東北凱旋(がいせん)登板で2勝目を挙げた。楽天17回戦(楽天生命パーク)に先発し5回を3安打無失点。少年時代にファンとして観戦に訪れた球場で、約3カ月ぶりの白星を挙げ、チームを3連勝に導いた。カード勝ち越しで貯金は今季最多の6となり、首位オリックスと2・5ゲーム差に詰めた。

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スタメン発表でコールされると、ビジターのスタンドから自然と拍手が沸き起こった。少年時代、右翼席から見つめていたマウンドに佐々木朗は立った。「もちろんホームより歓声は少ないんですけど、すごく後押ししてもらいました」。かつて3度観戦に訪れた場所。当時はプロ野球選手になるなんて思ってもいなかった。大きいなあ、と眺めていた球場の真ん中で、同じ東北出身の楽天岸に投げ勝った。

初めてのマウンドは低く、四球からのスタート。だが6度の先発で学んできた。「置きにいかないように。修正すればすぐよくなると分かったので」。オコエを外角にフォークを沈めて併殺に仕留めると、続く浅村への初球でこの日最速156キロを計測した。小3で観戦に来た時、この球場外でスピードガンコンテストが行われていた。当時の球速は80キロ程度。気恥ずかしくて挑戦もしなかったが、時をへて、球界屈指の速球派として戻ってきた。

2回までに47球を要した球数も3回以降はテンポアップ。「これまでホームランを結構打たれてるので、走者をためないように。甘くならないように」と警戒した中軸を単打1本に抑え、4番島内、5番岡島から3つの空振り三振を奪った。援護に恵まれたことが、右腕の振りを勢いづけた。

ゼロを5つ並べ、5月27日の阪神戦以来の2勝目をつかんだ。この間、打たれた日もあれば、好投が報われない日もあった。「長い間勝てなかったのでうれしい。ここからやり返せればなと思います。勝たせてもらうこともあると思うんですけど、自分が勝ちに導けるようにしていきたい」。ここまでの最長は6回で、より長い回を投げることを直近の目標に掲げる。「投げるたびによくなっている」と井口監督。3カ月ぶりの白星。東北の空が、おかえりとばかりに佐々木朗を歓迎した。【鎌田良美】

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