日本ハム木村文紀外野手(32)が移籍後初本塁打で尊敬する先輩の偉業に花を添えた。引き分けに終わったロッテ14回戦(ZOZOマリン)で、3点を追う2回にバックスクリーン左へ推定125メートルの特大1号ソロを放った。1カ月前まで同僚であり、公私で慕う西武栗山が仙台で通算2000安打を達成。吉報直後に約300キロ離れた千葉で打ち上げた祝砲が、チームの劣勢もはね返した。

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遠く離れていても、不思議とパワーがみなぎった。木村が祝福のアーチを描いた。3点を追う2回。フルカウントからフルスイングで捉えた打球は、勢いよく中堅方向へ飛んだ。「行け、行け」。心の中で叫んだ打球はバックスクリーン左、推定125メートルの特大ホームランとなった。西武から移籍後の初本塁打に「本当にうれしい」。三塁側ベンチで新たなチームメートから祝福を受けた後は、1人でガッツポーズを繰り返して喜んだ。

記念の1発が飛び出す約30分前。千葉から約300キロ離れた仙台で西武栗山が史上54人目の通算2000安打を達成した。8月に日本ハムへ移籍するまで、ずっとお世話になってきた。尊敬する先輩が38歳の誕生日となった3日には「きっちり0時に『誕生日おめでとうございます』メッセージを送らせてもらった」。あえて大記録のことは触れず、心の中で1日も早い達成を願っていた中で期せずして、同日に記念の一打を放った。「(記録達成は)試合の途中で聞いたので、よかったですね」と笑みがこぼれた。

西武で放った計39本塁打に、日本ハムでの記念すべき1本目が加わって通算40本塁打となった。「またここからがスタートラインだと思うので積み重ねていきたい」と、決意するとともに「2000安打は僕には夢のような話ですけど、身近な先輩が2000安打を達成できたことが僕自身もすごくうれしい。いい刺激をもらって、これからも頑張ろうという気持ちです」。新天地での躍動を改めて誓う日となった。【木下大輔】

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