中日は9月30日、現役最年長投手の山井大介投手(43)が今季限りで現役を引退すると発表した。2軍本隊は福岡遠征中で、山井は残留組とリハビリ組が練習するナゴヤ球場でナインに引退を報告。その後は三塁側ブルペンに入り、26球のピッチング練習を行った。中日一筋20年、43歳まで現役を続けた男らしく、普段通りのルーティンを貫いた。

   ◇   ◇   ◇

山井 ドラゴンズのユニホームを着てプレーするのは限られた時間となりますが、ドラゴンズの一員でいる限り、最後の最後まで気を抜かずにみんなと頑張りたいと思います。

球団関係者にコメントを託すとスーツに着替え、バンテリンドームに向かった。巨人戦前の与田監督やコーチ、スタッフ、選手1人1人にあいさつを続けた。

河合楽器から01年ドラフト6巡目で入団。キレのある直球とスライダーを武器に、主に先発で活躍した。日本ハムと対戦した07年の日本シリーズ第5戦では、パーフェクト目前の9回に降板。落合監督の采配に賛否の声が上がったが、岩瀬との完全試合リレーで53年ぶりの日本一に導いた。

12年には救援に回り、56試合で4勝15セーブとフル回転。13年6月28日のDeNA戦(横浜)では、史上77人目のノーヒットノーランを達成した。14年には自己最高の13勝(5敗)で最多勝利と最高勝率のタイトルも獲得したが、その後は徐々に成績も下がり、今季は1軍登板がなかった。

山井 ドラゴンズ球団、歴代の監督、コーチ、スタッフ、自分に携わってくれたすべての人に感謝しています。ファンの皆さんのたくさんの声援のおかげでマウンド上では自分の持っている以上の力が出せたと思います。20年間、本当にありがとうございました。

引退会見は7日、引退セレモニーは13日のヤクルト戦(バンテリンドーム)で行う。落合竜の黄金期を支えた功労者がまたひとり、ユニホームを脱ぐ。【安藤宏樹】

◆山井大介(やまい・だいすけ)1978年(昭53)5月10日、大阪府生まれ。神戸弘陵-奈良産大-河合楽器を経て、01年ドラフト6巡目で中日入団。新人年から31試合登板で6勝をマークするなど、先発と中継ぎで奮闘した。36歳の14年に初タイトルの最多勝と最高勝率の2冠を獲得し、国内FA権も得たが行使せず残留した。通算成績は335試合で62勝70敗20セーブ、防御率3・75。179センチ、86キロ、右投げ右打ち。