日本ハム斎藤佑樹投手(33)が1日、今季限りで現役を引退すると発表した。千葉・鎌ケ谷の2軍施設で取材対応。プロ11年目の今季、右肘靱帯(じんたい)断裂からの完全復活を目指していたが、体の限界が、引退への最大の決め手となった。

早実3年夏の06年、甲子園決勝で駒大苫小牧の田中将大投手(現楽天)と投げ合い、再試合の末に優勝。青いハンカチで汗を拭く姿から「ハンカチ王子」と呼ばれ社会現象にもなった。早大では東京6大学史上6人目の通算30勝、300奪三振を達成した。10年のドラフト会議で4球団が1位で競合の末、日本ハムに入団。1年目に6勝、2年目は開幕投手を務めて5勝を挙げてリーグ優勝に貢献した。その後は度重なる故障に悩まされ、19年9月を最後に1軍のマウンドには上がっていない。通算成績は88試合に登板して15勝26敗、防御率4・34。

<斎藤一問一答>

-今の率直な気持ちは

本当にいろんな思いがあるんですけども、一番はファイターズというチームで11年間…コメントでも出しましたけど、最高の仲間と一緒にプレーできたことが、とても幸せな11年間でした。

-現役引退を決めたのはいつ

僕の中ではずっと思ってはいたんですけど、最終的には今日、吉村GMとチームメートにお伝えして、という感じですね。

-栗山監督に、どんな言葉をかけられたか

監督には「今までありがとうございました」と伝えました。監督から(の言葉)は…ちょっと僕の心に留めておきたいんですけど…「お疲れさま」って感じでした。

-一番相談した相手は

本当にいろんな人に相談しましたし、頼る人はファイターズにたくさんいたので、いろんな縁とかつながりとかあるんですけど、最終的な決断は自分でしました。

-引退を決めた最大の理由は

一番は体のことですかね。今に始まったことではないんですけど、去年、肘のケガをした時に今年1年で結果が出なかったらという思いでやってきたので、それが一番かなと思います。

-体が付いてこなくなった

そうですね。それは今に始まったことではないんですけど、それが大きいかなと思います。

-今後について考えていることは

そうですね…とにかくここまで自分の体と向き合いながら結果を残すことを意識してやってきたので、今すぐ何かというのはまだ考えていないですけど、やっぱりファイターズだったり、自分が今まで育った環境に恩返しがしたいなと。これから、周りの人といろいろ相談しながら考えたいなと思います。

-斎藤投手にとって野球とは何ですか

小学校1年生から始めて今に至るまで、本当に野球のおかげでつながった人がたくさんいますし、そのおかげでこうやって今、幸せな気持ちでここに立っていられるので、そういう人との関係を作り上げてくれた、大事なスポーツですね。

-引退理由は体のことと話していたが、右肘以外は

そうですね、どこがっていうのじゃないですね。肘も肩も股関節も腰も…そうですね、なんかその、今どこか1個治るならと言われても、それは難しいと思います。

-ずっと引退が頭にあったとのことだが、今日の決断までは葛藤もあった

そうですね、葛藤はもちろん、ありましたね。ただ、やっぱりね、もう…決めたからには、ファイターズを応援するということしかないので。

-率直に引退の決断をして、今の心境はどうか

今は、まだ実感が湧いていないというか、自分で決めたことなので何とも言えないですけど。でも、こうやって決めた以上、前だけを見て進んでいこうかなと思います。

-引退の決断をして、気持ちが楽になった部分、ホッとしている部分は

まだホッとはしていないですね。

◆斎藤佑樹(さいとう・ゆうき)1988年(昭63)6月6日、群馬県太田市生まれ。早実3年の06年、甲子園で春8強、夏は決勝引き分け再試合の末に駒大苫小牧を4-3で破り優勝。早大では100代目の主将を務め、リーグ通算31勝。10年ドラフト1位で日本ハム入団。176センチ、77キロ。右投げ右打ち。