巨人坂本勇人内野手(32)が、史上最年少の32歳9カ月で通算400二塁打を達成し、チームを勝利に導いた。同点の3回1死一、二塁、DeNA京山の変化球を左翼線にはじき返し、二塁に到達。史上14人目、70年榎本喜八(ロッテ)、03年立浪和義(中日)がマークした33歳10カ月を上回った。

「2000安打より達成者が少ないということで、すごく価値のあること。今季、1つの目標としていた特別な記録だったので、到達できてうれしいです」

昨年1月、自主トレ中に白黒の動画に目が吸い寄せられた。「すごいな…」。左打席から巧みなバットコントロールで安打を放つ、榎本の映像だった。昨年、シーズン開幕が遅れ、榎本が記録した最年少の31歳7カ月での2000安打達成は逃したが、400二塁打では1年以上早く到達した。

レギュラーを奪取した08年4月1日の中日戦、2回に中田(現阪神)から放ったのが始まりだった。08年の24本から14年連続で20本以上を記録。1位の487本の中日立浪、榎本さえ届かなかった数字は日々のトレーニング、ケア、周囲のサポートのおかげだった。

「トレーナーの方とか、いろんな方に支えてもらっているので、感謝の気持ちでいっぱいです」

場内アナウンスで記録達成を告げられ、感謝の思いを込めながら二塁上でヘルメットを掲げた。1回には先制の犠飛を放ち、同点の5回には決勝の犠飛。「まだまだあきらめてないんで、何とか1試合1試合頑張っていきます」と5ゲーム差の首位ヤクルトを追いかける。【久保賢吾】

▼通算400二塁打=坂本(巨人) 2日のDeNA22回戦(東京ドーム)の3回、京山から左二塁打を放って達成。プロ野球14人目。初二塁打は08年4月1日の中日1回戦(東京ドーム)で中田から。32歳9カ月で達成は、70年榎本(ロッテ)と03年立浪(中日)の33歳10カ月を上回る最年少記録。1887試合は史上3位のスピードで、右打者では67年山内(阪神)の1911試合を抜く最速。

 

▽巨人原監督(坂本の最年少での400二塁打に)「非常にタフな体とタフな心を持ってる。技術もしっかり身に付けて、400というのは彼の中では通過点でしょうけど、素晴らしい数字だと思いますね」