中日の次期監督候補に球団OBの立浪和義氏(52)が急浮上していることが2日、分かった。中日はこの日、阪神戦(甲子園)に敗れ今季優勝が完全消滅。就任3年目の与田剛監督(55)はリーグ1位の防御率を整備したものの、課題の打力強化に力が及ばなかった。強竜打線再建に3代目ミスタードラゴンズの名前が挙がった。

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強竜打戦復活へ、3代目ミスタードラゴンズ・立浪氏に次期監督候補として白羽の矢が立った。

中日はこの日、阪神に敗れ今季優勝が完全消滅した。近日中にもクライマックスシリーズ進出も消滅する可能性があり、その場合は4位以下が確定。球団創設85周年での悲願のV奪回、日本一は絶たれることが濃厚だ。就任3年目の与田監督は、2日現在チーム防御率3・20、同425失点のリーグトップの投手陣を築き上げたが、打力向上には成果を上げられなかった。大型補強はなかったものの、チーム打率2割3分8厘、同67本塁打はリーグ最下位。371得点は2年連続で両リーグ最下位に甘んじているのが現状だ。

球団首脳は「与田政権の3年間の総括は難しい。リーグNO・1の投手陣は作ったが、打線がね。どう判断すればいいのか」と苦慮。打撃コーチ部門の強化とともに与田監督の続投案も検討されているが、優勝消滅により立浪氏の次期監督要請が急浮上した。

立浪氏は87年にドラフト1位で中日に入団。以来、22年間の現役生活で、新人王、ベストナインなどの数々のタイトルを獲得し、09年に通算2480安打と球団歴代1位の安打記録を残し現役を引退した。西沢道夫氏、高木守道氏を継ぐ3代目ミスタードラゴンズと称され、幾度となく監督候補に名前が浮上してきた。今春キャンプでは臨時コーチとして古巣に復帰。1カ月にわたり、京田、根尾、岡林、石川昂ら次世代をになう選手へ熱血指導を続けた。

親会社の中日新聞は、球団主導での次期監督候補やスタッフ案を指令。近日中には球団が立浪氏を最有力に来季の組閣案をまとめ、中日新聞社社長の大島宇一郎オーナー(57)らを交え、V奪回内閣が正式決定される方向だ。

◆立浪和義(たつなみ・かずよし)1969年(昭44)8月19日生まれ、大阪府出身。87年にPL学園主将として春夏甲子園を連覇し、同年ドラフト1位で中日入団。1年目から新人王に輝く活躍で88年のリーグ優勝に貢献。03年に2000安打を達成して名球会入り。09年に引退。通算2480安打は歴代8位、487二塁打は同1位。ベストナインを2度、ゴールデングラブ賞を5度獲得した。現役時代は173センチ、70キロ。右投げ左打ち。