ソフトバンクは8日、長谷川勇也外野手(36)が今季限りで現役を引退すると発表した。引退会見は9日に行われる。

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数年前、ある遠征地の有名サウナ施設で長谷川とばったり出くわした。しかもナイター後の夜中に。ストイックに汗をかき、精神を研ぎ澄ますように水風呂に漬かり、静かに「ととのう」姿はさながら、キャンプ中に1人で黙々とティー打撃を行う「打撃職人」の姿と重なった。いたずら顔で「Saunar」の文字が入ったTシャツを着てきたこともあった。やはり何ごとにも、こだわりの強い人だと思った。

サウナだけではない。ただの喫茶店ではなく「コーヒースタンド」巡りも趣味のひとつだ。テークアウトしたコーヒーを片手に散歩したり、そのまま球場入りすることも。なぜか不思議なロゴ入りグッズが売られていることが多く、それを集めるのも好きだとも話していた。他には「ビックリマンシール」も集めた。変わったコラボ商品が出れば、すぐに食いついた。グラウンド外でも、なんだかんだ「求道者」だった。

数年前に「ミニ四駆」という、モーターで走る車のプラモデルに興味があると言っていた。長谷川が本気でやれば、すごいマシンを作りそうな気がする。引退後はあらゆるところで、その探究心を発揮してほしい。【ソフトバンク担当=山本大地】