DeNA中井大介が有終の美を飾った。古巣巨人との引退試合。7回の先頭、代打で登場すると、カウント1-1からの3球目、畠の148キロ直球を右前に運んだ。一塁塁上でヘルメットを取ると、球場全体へ頭を下げた。代走知野が告げられると、涙を流しながらベンチに戻った。今季2安打を放った背番号0に、球場全体から温かい拍手が送られた。

1軍出場の最初と最後が横浜スタジアムだった。09年初打席は三振。だが戦力外通告を受けて移籍し、通算506試合目、1036打席目は、228本目の安打を放った。試合後はスポットライトを浴びてスピーチ。「今日のヒットで少しでもファンの皆さまに恩返しできたなら、僕の現役生活も大きな意味があったのかなと思います」と振り返った。両親への感謝を述べた際には、声を詰まらせた。

試合後は息子と一緒に球場を1周した。けがで離脱しているオースティンらも参加し、巨人の選手も居残った。「人に恵まれて人に助けられてやってこられた14年間でした。今度は僕が誰かの力になれるよう、精いっぱい努力していきたい」と結んだ。【斎藤直樹】

▼DeNA三浦監督(中井の最終打席に)「現役最後の打席で集中して、中井らしい打撃で感動しました。鳥肌が立ちました」

▼巨人原監督(引退するDeNA中井に)「横浜で大事にされるというね。ジャイアンツで彼が18歳の時から見ていますけど、非常に逆に横浜球団に感謝しますね。まだまだ若いし、これからの方が長い。エールを送り健闘を祈るというところですね」

▼巨人畠(2番手で登板し、1回2/3を無失点。今季4勝目。引退試合のDeNA中井に右前打を許す)「個人的には中井さんに打っていただいて、その後をしっかり自分で抑えられたのは良かったのかなと」