巨人ドラフト1位の関西国際大・翁田大勢投手(22=西脇工)が、原点の地で活躍を誓った。9日、出身地の兵庫・多可町役場を表敬訪問。

吉田一四町長(65)は「みんなが目指す大きな星ができた」と、地域を活気づける存在として期待し、何らかの賞を出すことも検討している。

多可町は人口2万人弱で、山に囲まれた自然豊かな町。コンビニは町内に5つだが、翁田は「不便というのはあんまり感じなかった。それが当たり前という感じ」と、自然にあふれる環境を楽しんで育った。小中学時代には、徒歩で帰宅中に、動物に遭遇することも少なくなかったという。「イノシシだったり、猿だったり、鹿だったり、タヌキとか、キツネとか、ウサギとか。熊は直接見たことはないですけど、町内放送で『クマが出ました』というのは聞いたことあります」。夜のランニング中には、鹿が横で走っていたこともあった。野生動物に出くわした時は、例えどんなに驚いても「とりあえず1回止まります」。下半身を鍛えながら、野生の勘? も養われた。

故郷の期待を背負う最速157キロ右腕。「地元の方々からこのような応援をしていただいているということは素直にうれしいこと。次は良い結果を残して、良い報告ができたら」。大好きな原点の地で、気持ちを引き締め直した。【小早川宗一郎】