波乱の船出にも、指揮官に不安はなかった。ヤクルト奥川恭伸投手の今季初実戦は予定の2回を投げきれず、1回0/3で一塁に走者を残して降板。高津臣吾監督は「ブルペンでできても試合でできなかった。また次、少しでも感覚を取り戻す努力をしてくれたらそれでいい」とおもんぱかった。

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ロッテ打線に対して制球が定まらなかった。初回、3連続四死球で無死満塁として先制点を与えた。強風で変化球の曲がりが大きい。ワンバウンドする球もあった。気温14度という沖縄らしからぬ寒さも、投げにくさの要因だったかもしれない。3ランを浴び、1回に37球を要した。

「2回、40球程度」がめどだったが、2回先頭に右前打された時点で40球に達した。3安打6失点の結果に、奥川は取材の場に出てこなかった。ただ高津監督は「真っすぐの走りがよかった」と最速149キロの直球を評価。捕手の内山壮も「課題である内角をうまく使おうと話していた。それはできた。内角を続けて、狙われてもファウルが取れていた」と振り返った。

昨季9勝の実績と信頼がある。合わせるべき照準はもっと先にある。高津監督は「今年は開幕からローテーション入って投げさせるわけですから、その意識を持って、しっかりそれまでに調整してもらいたい」と話した。【鎌田良美】