9番目の選手が、反撃のムードを上昇させた。日本ハム佐藤龍世内野手(25)が、ファン投票によるオーダーに「9番三塁」で滑り込んだ。4点を追う5回。無死一、二塁からバント失敗で併殺に倒れ、迎えた2死一塁だった。チャンスの芽がしぼみかけていた中、初球を狙い打ち。左中間を破る適時二塁打で、嫌な流れを爽快に断ち切った。

【ニッカン式スコア】19日の日本ハム-DeNA戦詳細スコア

憂鬱(ゆううつ)な思いごと振り払った。昨年8月に交換トレードで西武から加入。新参者の自覚があった。ファン投票でスタメンが決まることに「マジか。今日も出られないのかな」と2戦連続スタメン落ちを覚悟していた。18日同戦では代打で、初球打ちの左中間二塁打。球の見え方などで調子の良さを実感。「絶対に試合に出たいと思っていた。本当にありがとうございます」と投票してくれたファンに感謝した。

スタメンでは唯一、打点をマーク。「昨日も今日も1打席目からファーストストライクを仕留められるようになってきたのは、いい収穫」と手応えをかみしめた。2月の春季キャンプで取り組んできた初球打ちが、実り始めた。オープン戦は残り1試合。二塁、三塁、左翼を経験し「試合に出られるなら、どのポジションでも守ります」と開幕1軍に照準を合わせてきた。カギは好不調の波を減らすこと。移籍2年目を飛躍の年にする。【田中彩友美】