ソフトバンク田上奏大投手(19)がデビュー戦を堂々の投球で飾った。

3年ぶりの長崎開催となったロッテ4回戦でプロ初登板初先発し、5回2/3を2安打無失点。初回には自己最速を1キロ更新する155キロをマークした。外野手から投手に転向して約2年。昨秋は育成契約を結び、試合の5日前に再び支配下登録された。勝敗はつかなかったが、若き苦労人が飛躍への第1歩を刻んだ。

【ニッカン式スコア】12日のソフトバンク-ロッテ戦詳細スコア

中日、ソフトバンクで捕手として活躍した大産大付の田上秀則監督(42)はおいの初陣に合わせ、大阪から長崎まで駆け付けた。現役時代は通算470試合に出場したが「自分が出るときよりも緊張しますね。見るだけなのにね」と、ソワソワした様子。自身もつけた背番号「70」を引き継いだ、おいの勇姿に「生で投球を見るのは初めてです。ええ球放るね」と目を細めていた。

○…田上の母・由香さん(43)は、プロ初登板をスタンドから見守り「うれしい限りです。いろんな人に感謝ですね」と感激した様子だった。登板前に「ちびらんと、思い切りやってほしい!」とエールを送り、その期待に応える投球だった。

◆田上奏大(たのうえ・そうた)2002年(平14)11月26日、大阪市生まれ。敷津浦小2年で「バイキングジュニア」で野球を始め、オリックスジュニアでもプレー。住之江中では西成ボーイズに在籍。履正社では1年秋からベンチ入りし、3年春から投手転向。20年ドラフト5位でソフトバンク入り。背番号70。家族は母由香さん(43)と兄楓大さん(21)。座右の銘は「一事が万事」。185センチ、88キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸600万円。