日本ハムの“執念ブラザーズ”が、木田優夫監督代行(53=2軍監督)に初勝利をプレゼントした。1回、4番今川優馬外野手(25)が、球団の4番としては本拠地移転後、初となる初回満塁弾を放って先制。同点で迎えた7回2死二塁からは、弟分の1番清宮幸太郎内野手(23)が懸命に走って適時内野安打をもぎ取り、勝ち越した。連敗は6でストップ。チームは白星で前半戦を締めくくった。

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8日ぶりの勝利を演出した2人が、仲良く本拠地のお立ち台に並び「執念!」と絶叫した。ガッツあふれるプレーと「執念」という口癖から、「執念先輩」というニックネームがチームに定着した今川と、その今川に「執念後輩」とかわいがられる清宮。2人で全打点を挙げ、コロナ禍で1軍首脳陣全員を欠き、難しいかじ取りを任された木田監督代行に初勝利をプレゼントした。

新型コロナで隔離となった野村に代わり、3試合連続で4番に座った兄貴分の今川が、まずは球団史に名前を刻んだ。1回無死満塁で、ロッテのロメロから、ライナーで左翼席に飛び込む先制のグランドスラム。4番の初回満塁弾は、前身の東映時代を含めて球団史上3人目。本拠地が北海道に移転後は初めてで、道産子でファンクラブ会員歴16年目の今川が打ったというのも運命的だ。2試合連続で札幌ドームにアーチを架けた熱烈F党は「ずっと見てきたファイターズの4番に入るのは、不思議な感じ」としながらも「テレビで見ているBIGBOSS! 球宴明けも4番でお願いします!」と、新庄監督に“おねだり”した。

新庄監督の希望で2試合連続1番での起用となった清宮は、4-4の7回2死二塁から勝ち越しの適時内野安打。相手守備がもたつく間に一塁を陥れた背番号21は「今日はめっちゃ走りました。なんとか代行に勝利を届けたくて」と笑顔。「地味でしたけど、うちらしい点の取り方で勝てました」と、無邪気に喜んだ。

2軍から合流し、前半戦を白星で締めくくった木田監督代行は、選手たちから受け取った初勝利のウイニングボールに「鎌ケ谷に飾っておきます。ファンが見られるところに」と目を細めた。16日から選手、スタッフ33人の新型コロナ陽性者が出る非常事態。総力戦で挑んだ1週間は、後半戦への自信をつかんで終わった。【中島宙恵】

◆日本ハムは24日に1軍でPCR検査を実施し、稲葉篤紀GM(49)王柏融外野手(28)石川亮捕手(27)の陽性が判明。王柏融は発熱の症状があり、残り2人は無症状。3人とも現在は隔離療養している。

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