プロ8年目で初、野球人生初のサヨナラ打に酔いしれた。日本ハム清水優心捕手(26)が勝負を決めた。2-2の延長10回2死一、二塁。1度は逆転2ランを放っていた前打者の今川が申告敬遠となり、「代打もあるんかなあ」とよぎったが、打席が回ってきた。ここまで3打数無安打。ヒーローになるチャンスをくれた新庄監督に感謝した。

引っ張った打球は、ボテボテ弾みながら左翼前まで転がった。劇的な幕切れとともに突進してくるチームメート。女房役らしくガッチリ受け止め、歓喜した。「渋い安打でしたけど一番いい二塁走者(中島)がいて、いい打球がいって、全部、運がいい感じにいったと思うので本当に良かった」と汗を拭った。

新庄監督からの助言を結実させた。「ポイントを前にして、早めにタイミングを取って」と指導を受けて実践した。「彼もボス組(2軍)で苦労したから」とビッグボス。開幕序盤の4月に出場選手登録を外れた。「本当に悔しい思いをしました。1軍で試合に出るのがなんぼだと思いますけど、この3カ月は決して野球人生でマイナスじゃなかった」と糧にした。

母校の九州国際大付が、新型コロナウイルス集団感染を乗り越えて甲子園で勝利。「めちゃくちゃうれしいっす。後輩が頑張っているので負けられない」と大きな刺激になった。真夏の聖地に負けない熱戦を、北の大地でも演出。清水が“初主演”に躍り出た。【田中彩友美】

○…今川が9号2ランを放った。1点を追う5回1死三塁で初球を振り抜き、左翼席に一時逆転となる一発を突き刺した。前日10日、延長12回2死で空振り三振。最後の打者となり、引き分けに終わった。「全然眠れなかった。すごく悔しくて」。試合前練習で、新庄監督からボールをバットの芯に当てることを意識するよう助言を受けた。うまく実践し「ボスのアドバイスが実を結んだ」と感謝していた。

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