ロッテ西川僚祐外野手(20)が8日、8月度の「スカパー!ファーム月間MVP賞」に選出された。

東海大相模(神奈川)から20年ドラフト5位で入団し、今季でプロ2年目。8月はイースタン・リーグ17試合に出場し、リーグトップの打率3割8分6厘、3本塁打、14打点をマークするなど打ちまくった。「月間MVPを取れて素直にうれしいです。直球のタイミングがしっかり取れていて、打ちに行けていたことが好調の要因だと思います」とコメントした。

高校通算55本塁打のスラッガーは、プロ入り後もここまで順調に成長…というわけでもない。1年目はイースタン・リーグで216打席で75三振。特に開幕直後の3、4月は21打席で1安打11三振。当時、率直な思いをオンラインインタビューで口にしていた。

「高校の時は速い球でもこうやって打ったら前に飛ばせるっていうイメージができるんですけど、今はどうやってこのまっすぐを捉えていったらいい感じで打球が飛ぶのかなというイメージがあまりつかないというか、そんな感じですね。見えないわけではないんですけど、このスピードどうやったら引っ張れるかなという、そういう、まだつかめない感じです」

プロ2年目も一気に進化したわけではない。同じ3、4月で65打席に立ち、8安打22三振。依然として三振が多かった。

「去年1年間試合して、今年は具体的に自分がこういう打撃をしたいのが出てきたので、それを追い求めすぎて形が気になったりはあったんじゃないかと思います。考えすぎて、何もできていない、バットを振りにいけていない三振も多かったと思います」

それが変化し始めたのが6月だった。

「6月に入ってからの三振の内容は、ぎりぎりまでしっかり投手と勝負して、手も足も出ないで三振というのではなくなってきてるかなと思います」

変化の要因として「上と下で割れを作ったまま構えるのが、だんだん良くなってきている。構えた時点で直球をしっかり打ちにいける構え方や意識をいま持てているのが、数字が上がってきている要因と思います」と自己分析していた。練習からフルスイングを貫き、固めつつあった。

6月当時、打率がようやく1割台から2割台に乗ったところだった。

「1割だと変な意味で1打席に集中できるというか、2割に乗ってくるとやっぱりもうちょっと打ちたいとか思い始めているので、それを何とか試合では抑えて、1打席1打席に集中したいなと思います」

そこから3カ月足らずで、打率は2割8分前後にまで届き、イースタン・リーグの首位打者争いにも加わった。目立つのは8月と9月ここまでの97打席で、四球がわずか2つ。振りに行く中で結果を出せているのは大きい。

シーズン半ばに、今季残りの目標を「変な欲を出さず、1打席に集中して、最後まで戦えれば結果もついてきて、もっと自分のプレーの幅も広がると思います」と挙げていた。1軍はもう負けられない状況。10日からの仙台遠征にも西川の姿はないが、近未来の主軸候補として期待は高まる。【金子真仁】