ロッテが安田尚憲内野手(23)の2安打4打点の活躍で、借金を1に減らした。3位とのゲーム差も2に縮めた。

3回2死満塁、西武平井の初球の外角球を捉えた。「初球からいこうと決めて打席に入っていたので、どういう結果であろうと」。センターへの打球は痛烈で、走者2人を迎え入れた。打球速度は時速168キロだったという。

昨オフ、契約更改では「今年の平均スピードが150キロ、155キロくらいで」と話していた。

「好打者と言われている人たちがそれから160キロくらいまでのところが平均速度で打っている、っていうデータをいただいたので、そういったところに近づけられるように」

その領域に近づきつつある。「もともと捉えたライナーはスピードが出ていたので、それに角度がついたり、引っ張られるようになってきたのが良くなった要因かなと思います」と自己分析している。

2回の第1打席は平井の内角球に反応し、力みのないスイングで右翼席へ運んだ。7号先制2ラン。後半戦の長打率は5割を超えている。構えた時に右足を小刻みに動かしていたのが、なくなっている。

「前まで足でタイミング取っていたんですけど、今は手でタイミングを取るようにしてから、だいぶタイミングが取れるようになったので。今も構える時はできるだけ動かないようにしてやってます。手で後ろに引っ張っていく中でタイミングを取るように」

試行錯誤の末につかんだベスト。「タイミングがうまく取れるようになってきてから、いいポイントで打てるようになってきたので」と進化への過程も理路整然としている。

開幕に間に合わず、前半戦は悔しい思いをした。規定打席には1日4打席ペースだとぎりぎり届かない。「今年はずっと1軍に出れてたわけではないので、規定はそこまで気にしていないです。最後までこの今のいい感覚を続けることのほうが大事かなと思うので、最後まで集中して継続してやっていけたら」。

同世代のヤクルト村上については「本当にすごすぎて、一ファンくらいの感覚になってるんですけど」と笑いながら、安田も“ついに”の空気をまとってきた。【金子真仁】

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