DeNAが誇る“伊勢大明神”が、チームの窮地を救った。負ければ、敗退が決まる「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファーストステージ第2戦。1点リードの7回1死三塁から登板した伊勢大夢投手(24)が大ピンチを脱し、イニングまたぎの8回は3者連続三振に抑えた。先発大貫、3番手山崎の3投手で14奪三振をマークし、セ・リーグのプレーオフ、CS最多を更新。逆王手をかけ、第3戦に勝つか引き分けでファイナルステージ進出が決まる。

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1点リードの7回1死三塁、ハマスタでは今季42回目のあのメロディーが「伊勢大明神」の登場の合図だった。伊勢は「ボールは絶対に強く、強く投げないと後悔する」と闘志むき出しで直球勝負。近本を初球の高め150キロで三邪飛、大山を1ストライクから149キロで中飛にねじ伏せ、珍しくガッツポーズした。

伊勢 自信を持ってる真っすぐで絶対打ち取ってやるという気持ちで投げた。(ガッツポーズは)どうにか盛り上げて、まだまだいくぞという思いで。

大ピンチ脱出の後には、奪三振ショーを演じた。続投した8回は「正直、ちょっとびびっているところはあったんですけど、攻撃の時間に気持ちを入れて」と原口、佐藤輝、代打のロハスを3者連続三振。“伊勢の18球”で流れを断ち、崖っぷちの第2戦で“反撃”の1勝をたぐり寄せた。

3投手のリレーで新たな歴史も刻んだ。大貫がプロ入り初の10奪三振。伊勢が3奪三振、9回を締めた山崎が1奪三振と重ね、セ・リーグのプレーオフ、CS最多の14奪三振を記録した。三浦監督は「3投手とも素晴らしいピッチングをしてくれたし、伊藤光が本当に素晴らしいリードをしてくれた」と称賛した。

雪辱を誓ったこの日は森が丸刈りで登場。チーム一丸で守り勝ち、ファイナルステージ進出へ逆王手をかけた。この日は第1戦をさらに更新するハマスタ史上最多動員の3万3037人を記録。三浦監督は「今日もたくさんのDeNAファンの方々に駆けつけていただき、選手たちに力を与えてくれた。明日も全員で戦います」と“横浜一心”を誓った。【久保賢吾】

◆DeNA伊勢の登場曲 Official髭男dismの「Stand By You」を採用。今季はCSを含め、投手陣ではチーム最多の42回流れる。

▽DeNA大貫(CS初先発で6回1/3を2安打無失点10奪三振と好投)「いろんな人にたくさんプレッシャーをかけられていたので、ある意味、開き直って投げられた」

▼CS初登板の大貫が10三振を奪って勝利投手。プレーオフ、CSで2桁奪三振は12人、17度目となり、初登板では21年ファイナルS<1>戦山本(オリックス)以来8人目。公式戦の大貫は9奪三振が最多で、公式戦で2桁奪三振を記録したことがない投手がプレーオフ、CSで10三振を奪ったのは初めてだ。DeNAは伊勢、山崎と合わせて14奪三振。プレーオフ、CSのチーム1試合最多奪三振記録は08年2S<4>戦西武の15個(延長では14年ファイナルS<5>戦日本ハムの18個)だが、セ・リーグでは過去2度あった13個を抜いて最多となった。

▽DeNA浜口(先発予定の第3戦に向け)「相手どうこうより、自分のボールでしっかりと勝負できるかどうか。意識するところはもちろんありますが、いかにいつも通り戦えるかというところが大事になる」

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