オリックス宮城大弥投手(21)が、粘り抜いた。5回を2失点でまとめ、CS初登板で白星をつかんだ。

「先発としてもう1~2回投げないといけない。そこは悔しいです」。謙虚に振り返ったが、まぎれもなく勝利に貢献した。

5回で対戦した打者は21人。走者を何人背負っても緩急自在に投げ分け、しのいだのは宮城の真骨頂だ。テンポを上げたという4回は「まぐれです」と3者連続三振。我慢の88球が杉本の決勝弾を呼び込んだ。

プロ3年目。今も登板前は極度に緊張する。前夜はよく眠るために合宿所で野球中継は見ず、頭を休める。「どうせ球場に行ったら緊張する。夜のうちから緊張したくない」とルーティンをつかんだ。昨年の日本シリーズも含め、プロでの登板52試合はすべて先発。5回投げきれなかったのは2度だけだ。興南(沖縄)で1年生から甲子園を経験。21歳にして数多くの経験を糧に成長してきた。

「初回の先頭打者の長打もそうだし、失点してしまったところは長打が絡んでしまった。(福田)周平さんのファインプレー、ラオウさんの本塁打など、野手の皆さんが頑張ってくれた。本当に助けてもらいました。頼もしいリリーフ陣のおかげで、のびのびと野球ができています」と先輩たちに感謝しきりだった。

初戦で8回0封の山本に続いた。エースほどの派手さはなくても、オリックスの躍進を支える若き左腕の存在は大きい。【柏原誠】

○…2年連続の日本シリーズ進出がかかる第3戦は、田嶋が先発する。相手エース千賀と投げ合う。「緊張はするけど気持ちが高ぶることは基本的にない。やることをやっていきます」と冷静に語った。ソフトバンク戦は6月に完封するなど5戦無敗。昨年のCSファイナルでも好投した9勝左腕は「チャレンジ精神で頑張ります」と気負いはなかった。

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