オリックスから日本ハムへFA移籍した伏見寅威捕手(32)が24日、札幌市内で入団会見に臨んだ。3年契約の総額3億円で合意。さっそく同席した新庄剛志監督(50)から、来季の開幕スタメンマスクを期待され「狙っていきたい」と意気込んだ。チームリーダーとしての素質は十分。今季オリックスの日本一に貢献した道産子が、故郷のチームを優勝に導く。

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真っさらの背番号23に袖を通した伏見は、誇らしげだった。「かなり体が熱くなりましたし、これからやってやるんだという気持ちになった」。オリックスの強力投手陣を支え、日本一になって戻った故郷・北海道。幼い頃からの憧れが、プロ10年目で現実になった。さっそく新庄監督から「開幕投手の加藤君と組んで、面白いリードをしてもらえたらうれしい」と、新球場での開幕スタメンマスクを期待され「狙って行きたい」と意気込んだ。

今季、チームはオリックス相手に9勝15敗1分けと苦戦した。伏見の存在を強烈に印象づけたのが、9月15日の試合。1試合で4度、盗塁を阻止された新庄監督は「マジか。このキャッチャーはすごいな」と、心を動かされた。伏見は「3つは、たまたま。最後の1個は(新庄監督の采配を)読みました。監督に勝ちました」と、ニヤリ。完敗だった新庄監督も「(性格が)明るいね。ファイターズの空気にぴったり」と歓迎し「元気があって、後輩を育てる能力もあると聞いている。若い選手が多いので、引っ張って行って欲しい」と、期待を込めた。

「(新庄監督は)雲の上の存在なので『伏見君』と呼ばれるだけでうれしかった」と照れた伏見には、忘れられない思い出がある。04年、札幌ドームの中堅付近にあった「SHINJOシート」から試合を観戦。シートのカバーを自宅に持ち帰り、部屋に飾った。「北海道には僕の味方がたくさんいるので、何も不安はない」。オリックスで経験した最下位翌年のリーグ優勝を、故郷で再現する。【中島宙恵】

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