ソフトバンク藤井皓哉投手(26)が13日、福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4350万円アップとなる年俸5000万円の大幅昇給を勝ち取った。

今季650万円からの669%増は、18年石川柊太の500%を超える球団最高のアップ率だ。育成入団した今季は550万円からのスタートで、一気の約9倍超、809%ものアップ。普段は表情を崩さない「鉄仮面」も「想像を超えてました」と仰天した。

20年オフに広島を戦力外となり、昨季は四国IL・高知でプレーした苦労人。ホークスに加入した今季は開幕前に支配下登録を勝ち取り、主に「8回の男」として55試合に登板。5勝1敗、防御率1・12と圧倒的な成績を残した。「育成契約をしていただいた時は、誰ひとり、僕がこんなことになるとは思っていなかったと思う」と胸を張った。

原動力は愛妻だ。会見で今年6月に広島県出身で年上の一般女性と結婚したことを報告。広島時代から2年間の恋を実らせた。「ホークス入団が決まった時は育成契約でしたが、『支配下選手になったら結婚してください』と伝えていて、結婚する形になりました」。

遠距離恋愛も乗り越えた。高知時代の昨年は、1月~9月まで一度も会うことなく野球に向き合ったという。「我慢してもらった。苦しい時期をともに過ごしたので、この人と一緒にいたいなと」。全ては将来の伴侶を幸せにするため。そしてNPB復帰イヤーで結果を残し、最高のプレゼントを届けた。「今後は良い思いをしてほしいです」とさらなる恩返しを誓った。

昇給分の使い道は「寒くなってきたので、ユニクロに暖かい服を買いに行きたい」と謙虚に言った。メッツに移籍するエース千賀の穴を埋めるべく、来季は先発に転向する。「(これからは)僕1人ではない。長く野球選手として活躍し続けます」。23年も二人三脚でフル回転する。(金額は推定)【只松憲】

◆藤井皓哉(ふじい・こうや)1996年(平8)7月29日生まれ、岡山県出身。おかやま山陽から14年ドラフト4位で広島入団。20年オフに戦力外となり、昨季は独立リーグの四国IL・高知でプレー。22試合に登板し、2完封を含む3完投で11勝3敗、防御率1・12。昨年12月にソフトバンクと育成契約を結び、今年3月に支配下登録された。183センチ、89キロ。右投げ左打ち。

○…左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などケガに泣いた栗原が大幅ダウンを受け入れた。1000万円減の7000万円でサイン。3月30日の敵地ロッテ戦の守備で左膝を負傷。今季は開幕からの5試合出場にとどまった。4月に手術を受け、約7カ月のリハビリを経て秋の宮崎キャンプに参加。「(ダウンは)納得というより、何もできていないので当たり前かと。来季は打点を多く取りたい。悔しいシーズンだったし、その借りを返したい」。来季は三塁コンバートで“ホット”な年にする。

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