日本ハム西村天裕(たかひろ)投手(29)が5日、新年の誓いとして今季から新設される「加藤賞」獲得を掲げた。

今オフ、加藤貴之投手(30)に課された50試合以上登板のノルマを達成すれば、先輩左腕から“ご褒美”をもらう約束をした右腕はやる気満々。球場開きとなった千葉・鎌ケ谷の球団施設にも一番乗りで登場。北海道・北広島で竣工(しゅんこう)式が開かれた新球場「エスコンフィールド北海道」で躍動し、豪華賞品のゲットを狙う。

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新春の陽光が降り注いだ鎌ケ谷に、いの一番で西村が登場した。「僕はただ、あいさつを早くして、練習に行きたかったので早めに来ました」と、無欲で一番乗りをゲット。ダッシュなどでしっかりと汗を流した。今季の目標は「50試合登板です」。過去5年間で達成できなかった“大台”だが、今季こそ達成したい。なぜなら、先輩からの発奮材料を受け取ったからだ。

西村 加藤貴之さんが「50試合以上投げたら、何か好きなもの買ってやる」と。その期待に応えられるように頑張ります。加藤さんの「加藤賞」を狙います。

耳慣れない「加藤賞」が創設されたのは、昨年11月28日に行われた選手会納会の席。加藤と西村と生田目で談笑中に誕生した。「何か話していて『やってくれるんですか?』みたいな流れで。『お願いします』って」と振り返った西村に課されたノルマは50試合以上の登板。生田目には勝利数ノルマが課されたという。

普段から「めちゃくちゃ優しい」加藤からの太っ腹な提案にモチベーションもアップ。ご褒美の中身はノルマ達成後に考える予定で、こちらは欲を出して豪華賞品を一番乗りでゲットするつもりだ。

ノルマ達成へ、下準備にも熱が入る。8日からは母校帝京大の同級生の阪神青柳、ロッテ広畑らと静岡・沼津で合同自主トレを行う。「『チーム青柳with西村』です。(青柳は)同級生なんで、何かあれば自分の引き出しに引っ張り込みたい」と、貪欲に阪神のエースからレベルアップのヒントを吸収する考えだ。

年始には目標達成を予感させる吉兆もあった。地元の和歌山で年越しし、初詣で引いたおみくじは「50番の吉でした」。目指す登板数と同じ数字を引き当て、神頼みしたのは「僕を支えてくれている皆さんを幸せにする。喜ばせたい。自分が活躍することによって、喜んでくれると思う」。50試合以上を投げてチームの勝利に多く貢献すれば、きっと新球場で開幕投手を務める先輩左腕も喜んでくれるはず。「やるしかない。それだけです」。力強く、新年の誓いを立てた。【木下大輔】

◆西村の登板数 18年のルーキーイヤーから5年間で122試合に登板し毎年、10試合以上マウンドに上がっているが、50試合に届いたシーズンはない。最多は2年目の19年で35試合に登板し、1勝3ホールドを記録。2番目は18年の26試合で2勝2敗1セーブ、8ホールド。昨年は18試合で勝ち負けなし。

○…清水優心捕手が正月返上トレで巻き返しを期した。埼玉の実家に帰っていた年末年始も「休む暇はない」と、1日も休まずに自主トレ。「周りから『優心は今年は勝負の年でしょ』と叱咤(しった)激励の声が多かった。がむしゃらにやっていく」と、30試合出場に終わった昨季からの巻き返しを期した。球場開きとなった鎌ケ谷でも早速練習。10日から阪神梅野との合同自主トレに出発し、キャンプインへ備える。

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