キャンプインから球春到来。6年ぶりの「世界一決定戦」、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕も約1カ月後に迫ります。侍ジャパンへのエールを込め、「MY WBC」を紹介します。第9回は西武編です。

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西武呉念庭内野手(29)が13日、宮崎・南郷キャンプを「行ってきます!」と元気に打ち上げた。しばらく日本を離れる。WBC台湾代表に初選出された。すでに故郷で行われている代表合宿に合流する。

13日の練習前、選手全員とファンたちの前であいさつ。故郷の言葉で話し始め、笑いを呼び起こした。その後「訳します!」と言い「2クールしかない短い間だったんですけど、いい練習ができましたんで、本当に皆さんのおかげです」と流ちょうな日本語で感謝の思いを伝えた。

甲子園出場とプロ野球選手を志して15歳で来日し、今年で30歳になる。「社会に出てからは基本的に日本の方が長いので。長いっすね、15年」と笑う。「日本と台湾の架け橋というか、少しでも両方の良さを伝えられれば。そういう仕事をできたらいいなと。もっと絆を深められるような存在、小さな影響でもきっかけを作りたいですね」。今や、西武ファンにも大いに愛される存在だ。「まずは次のステージに、日本に行けるように」。台湾で行われる1次ラウンドに士気も高まる。記憶に残る“架け橋”をかっ飛ばす。【金子真仁】