阪神先発の才木浩人投手(24)が、初対戦の侍ジャパン大谷から“天国と地獄”を味あわされた。

初回2死走者なしで迎えた大谷の日本凱旋(がいせん)打席は高め154キロ直球で空振り三振に斬り、ドームを沸かせた。だが3回2死一、二塁の2打席目はカウント1-2からの4球目、外角低めのフォークで体勢を崩したが、まさかの右腕1本と左膝をついた状態でバックスクリーン右まで運ばれる3ランを被弾。あっさりとリベンジを食らった。

「いい形で追い込んだ後に片手であそこまで打ち返されてしまったので…。僕の中でベストボールを片手でバックスクリーンに運ばれたのは悔しい」

世界最高峰の打撃技術を目の当たりにし、向上心に火を付けられた。才木は「単に(大谷は)『レベルが違う』というひと言で片付けたくない。ああいうレベルのバッターを抑えられるくらい自分も成長してやっていきたいということはあらためて強く思いました」と目をギラつかせた。

結果的に4回4安打4失点に終わった。ただ、最速155キロの切れ味抜群の直球とフォークを武器とした投球で吉田、村上から空振り三振を奪うなど、能力の高さを示した。「全体的にストレートも変化球もいい感触で投げることができました」。シーズンインへ向けては「今日ぐらいのボールがしっかり投げられていたら全然試合は作れるんじゃないかと思うので、さらによくなるように練習していきたい」。この日の悔しさを糧に、世界レベルの投手へと進化を遂げてみせる。【古財稜明】

○…西純が侍ジャパンを相手に4回2安打無失点とほぼ完璧な投球をみせた。6回から4番手で登板。先頭源田に左前打を許したが、最速153キロの直球と140キロ台後半のフォークを武器に計7奪三振。11人連続アウトを奪うなど、実力を発揮した。「三振を取るのが自分のピッチングスタイル。自分の投球がしっかりとできた」。岡田監督は「ちょっと最初は悪かったけどな、だんだんよくなってきたよな」と評価した。

○…先発中継ぎ両にらみの岩貞が、韓国戦に2番手以降で登板する。前回登板の2月25日のヤクルトとのオープン戦(浦添)では、3回3安打2失点。修正を踏まえ、「前回はストライク率が低かったので、特に走者がいないとき、自分を苦しめない投球をしたい。取れるアウトはしっかりとって、打ち取れる確率が高いボールから投げて抑えていきたい」と意気込んだ。

【関連記事】阪神ニュース一覧