東北にもう1度元気と勇気を-。楽天石井一久監督(49)が、「3・11」を迎え、被災地への思いを語った。

東日本大震災から12年。ロッテ戦の試合前には、選手やコーチらとグラウンドに一列に並び、黙とう。開催地の静岡・草薙球場や、本拠地楽天モバイルパークなどでは半旗を掲げ、犠牲者を悼んだ。「東北」を背負う球団として、10年ぶりの優勝への決意を新たにした。

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石井監督は表情を引き締め、はっきりとした口調で胸中を明かした。「3月11日は特別な1日だと思っている。どういうことが起こったのか、復興に向けてどうやってみんなで頑張っているのか。忘れることはない。みんな3月11日を忘れずにプレーしていますし、みんなで次世代に引き継いでいくことが大事」。東北の名前が入ったチーム名、ユニホームの左袖には「がんばろう東北」の文字が入っている。強調する「みんな」という言葉。

プロ野球として、勝利が人々を盛り上げる手段ではある。「言葉で言うのは簡単。どこまでみなさんに喜んでもらえるような戦いができるかが大事。結果として、優勝をもう1回お見せできたら」。ロッテとのオープン戦では3点を先制された直後に小郷の適時打と伊藤裕の満塁弾で逆転。同点に追いつかれたが、9回1死一塁から、代打渡辺佳が左翼線へ二塁打。サヨナラ勝ちで静岡に駆けつけたファンを沸かせた。

楽天が球団史上初のリーグ優勝と日本一に輝いた13年は、自身の現役最終年。当時はまだ関わりはなかったが、ファンが喜ぶ姿は脳裏に焼きついている。「球場で起きている歓声だったり。共有できなくても、今でも忘れない笑顔」と振り返る。あの表情をまた見るために、チームの先頭に立って戦っていく。「東北に少しでも光が大きくなるような出来事があればいいなと。僕たちも苦しい時があると思いますけど、みなさんと一緒にいい出来事がいっぱい増えるように戦っていきたい」。東北一丸となって、優勝をつかみにいく。【湯本勝大】

▽楽天田中将(震災から12年を迎え)「みんなと一緒に勝って喜びたいし、最後は優勝して、日本一になって、またパレードやりたいと思うので、そこを目指して頑張りたい」

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