監督、約束守りました。WBC優勝に貢献した日本ハム伊藤大海投手(25)が24日、チームに合流した。2月の名護キャンプ中にチームを離れる際、新庄剛志監督(51)から「(WBCで)フォアボールを出したらストレートパーマかけちゃうよ」と言われていたが、3試合で2回1/3を投げ、無安打無四球無失点と快投。“ストパー”を回避し、気持ちを切り替え、今度は日本ハムの投手として、仕上げていく。

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久しぶりに「ホーム」に帰ってきた。沖縄・名護キャンプ中の2月16日にチームを離れてから36日。仲間の顔を見た伊藤は「なんか家に帰ってきたような感じ」。23日に帰国し、同日夜に札幌まで戻った。世界一になってからわずか2日。時差ぼけは「そんなになかった。朝起きてちょっとまだ眠たい感じがありましたけど。しっかり寝られてはいる。きょういい感じに汗をかいて、しっかり寝られる」と強い口調で話した。

新庄監督からのユニークなミッションも、しっかり果たしてきた。指揮官にはチームを離れる際「フォアボールを出したらストレートパーマをかけちゃうよ」と送り出された。WBCでは、初登板した9日の中国戦から米国との決勝まで3試合に出場し、計2回1/3、27球を投げ四球はゼロ。戻ってすぐ「フォアボール出しませんでした」と報告すると、新庄監督からは「良かったねぇ」と、笑顔で迎えられた。

球団OBで侍ジャパンをけん引したダルビッシュ、大谷と過ごした1カ月間は、貴重な学びの時間でもあった。「あれだけメジャーで活躍してても、もっとうまくなりたい、もっとボールが速くなりたい、もっとすごい変化球を投げたいっていうのを本当にいつでも考えてた」。世界一の刺激を受けると同時に「伝えられるべきところは、しっかり伝えたい」とチームに還元していく。

今後は28日のイースタン・リーグDeNA戦(平塚)で先発として調整登板し、1軍では開幕2カード目の2戦目となる5日ロッテ戦(ZOZOマリン)での先発が濃厚。短いイニングの可能性が高いが「WBCは終わったこと。その経験を生かしながら満足することなく新たに。新庄監督がおっしゃっている優勝に向けた大事な1つのピースになれたら」。侍ジャパンでは中継ぎ中心も、ここからは日本ハムの先発投手として、準備を整えていく。【永野高輔】