ロッテ吉井理人監督(57)が本拠ZOZOマリン開幕戦で初白星をつかんだ。新監督では史上初の開幕2戦連続完封負けを含む3連敗の要因だった打線が、11安打に1犠飛4犠打の6得点とつながった。「このまま勝てないでクビになっちゃうんじゃないかと…。選手を信じていました。うれしいです」。9回を締めた益田から手渡された勝利球を手に、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

WBCから帰国翌日の先月24日、中日とのオープン戦。「取り返せない失敗はないから思い切っていこう」。約1カ月ぶりに指揮を執った試合前、野手全員の背中を押した言葉が、選手たちの支えとなり、結果を導いた。開幕後9打席無安打だった新外国人ポランコが2回、今季チーム1号の右越え2ランで反撃の口火。山口、藤原ら若手もファーストストライクから積極的に打つ姿勢を貫き、打点を挙げた。4回に三塁線を破る決勝二塁打を放った荻野は「野手陣が足を引っ張ってしまったので、盛り上げていきたいと思っていた。吉井監督にとってもチームにとっても大きい1勝。明日につなげたい」。失敗にも前を向き、点を取り返した1勝だった。

吉井監督はファンの大声援にも「選手たちも私と一緒でお調子者なので、乗ってくれたと思う」と感謝。これからも仲間を支え、信じ、勝つ。【鎌田直秀】