ベテラン左腕は今年も健在だ! ソフトバンク和田毅投手が、球団史上最年長となる42歳1カ月で今季初白星を挙げた。91年今井の41歳9カ月を上回った。和田は走者を背負う展開ながら、粘って5回無失点。ベテランの熱投に導かれ、チームも2年連続となる開幕5連勝をマークした。

和田が老練な投球で試合をつくった。初回は3者凡退の立ち上がりだったが、2~4回はすべて得点圏に走者を背負った。それでも要所を締め、5回を71球で無失点。球団史上最年長での白星を挙げ「長くやらせてもらっているので、そういう記録が付いてきたのかな。たくさんケガもしましたけど、マウンドに立てている。そういう体に産んでくれた両親に感謝です。今日たまたま、両親の結婚記念日だったので、お礼を言わないと」と、はにかみながら話した。

昨季は5試合に投げて1度も勝てず、3敗を喫したオリックスに雪辱。通算32勝11敗と勝ち星を伸ばした。チームも苦手だった京セラドーム大阪で、20年10月以来3シーズンぶりに勝ち越した。打線の好調もさることながら、ここまで防御率0・80と抜群の安定感を誇る投手陣の活躍がスタートダッシュの大きな要因だ。しかも、今季は開幕から5戦全て先発投手に勝ち星が付いている。

ベテランの背中が、投手陣の底上げに一役買っている。今季の先発陣では「和田式ウオーミングアップ」が流行中だ。先発当日の投手は従来、試合前の全体アップで1度体を温め、試合前にもう1度、ウオーミングアップをすることが多い。「和田式」では全体アップに入らず、独自のペースで1度だけ試合に向けての調整を行う。

前日4日に好投した石川は「和田さんは立ち上がりがすごい。なんでそんなに初回に三振を取れるんですかと、聞いたら『アップをやめてからだよ』と。ぼくもそれを始めてからスッと入れている」と明かす。開幕投手を務めた大関ら若手にも、少しずつ浸透してきている。レジェンド記録のラッシュとなりそうな、和田の23年シーズンが幕を開けた。【山本大地】

▼42歳1カ月のソフトバンク和田が白星を挙げ、前身のダイエー時代に今井雄太郎が記録した41歳9カ月を上回り、球団最年長勝利投手となった。なおパ・リーグ最年長勝利は、50年浜崎真二(阪急)48歳4カ月。プロ野球記録は、14年山本昌(中日)の49歳0カ月。