日曜日の奪三振ショー開演だ。阪神才木浩人投手(24)が7回5安打1失点と力投。今季2勝目は手に出来なかったが、自己最多11三振を奪った。「(フォークが)ブルペンで浮いてて何球か結構たたきつける感じで投げた。中盤うまくいいところに落ちてくれて三振も取れた」。渾身(こんしん)の114球は手応え十分だった。

初回からエンジン全開だ。150キロ台の直球に鋭く落ちる勝負球のフォーク。初回から丸山和、青木、山田を3者三振で料理し、3回まで9つのアウト中8つが三振。自身初の1試合2桁三振となる10三振目は昨季3冠王、村上から奪った。前回登板の4月2日DeNA戦でも8奪三振を記録。計19奪三振は、まだ2試合ではあるが、12球団トップだ。

3月19日のヤクルトとのオープン戦ではオスナに内角直球を続け被弾。この日は1打席目からフォークを続け空振り三振を奪うと、3打席目は高めの149キロ直球で2三振目。3打数無安打に抑えた。才木は「あの試合打たれたからどうこうってのはない」と前置きしながら「インコース続けるのを注意したり、高めにしっかり投げ切ることを今日は意識した。梅野さんがうまく配球してくれた」と納得顔だ。リードした梅野も「左右高低含めて配球的な部分もうまくいった。低いところ高いところしっかり投げてくれた」とたたえた。

18年以来自己最長タイとなる7回を投げきった。同イニング1死一、二塁で危機を招くと安藤投手コーチ含めナインがマウンドへ。岡田監督は場面を振り返り「追い越されるまでは行かすつもりやったよ。あの回。それは先に言いに行かしたから。追い越されるまで才木でいくからっていうのはな」と舞台裏を明かした。2死とした後に代打川端から同点打を浴びたが「(同点で止めたのは)大きかったよ」と目を細めた。

白星はつかみ損ねたが、2桁奪三振は新境地。「三振取れてるのは多分ボールがいってる(走っている)証拠。継続して取れるように」。登板日は毎週日曜日。週末恒例の奪三振ショーにしてみせる。【波部俊之介】