広島新井貴浩監督(46)が守護神の栗林良吏投手(26)に熱いゲキを飛ばし、息を吹き返させた。

3点リードの9回裏に栗林良吏投手(26)を投入した。守護神は2日前の18日に逆転サヨナラ打を浴びるなど、試合前時点で今季阪神戦2戦2敗。それでも信頼して送り出した。

栗林が先頭から3連打で2点差に迫られると、なおも無死一、二塁の場面で指揮官が就任後初めてマウンドへ。「おまえが打たれたら本望だから、思い切って投げろ」と声をかけると、守護神は後続2人で3アウトをもぎ取った。

苦しい展開だった。1回表に4番ライアン・マクブルーム内野手(31)の中前適時打などで2点を先制。先発のドリュー・アンダーソン投手(29)が2回8安打4失点の大乱調で試合をひっくり返された。

それでも2点を追う4回無死一塁、16打席連続無安打中だった6番マット・デビッドソン内野手(32)が左前打でチャンスを拡大。1死満塁から代打の松山竜平外野手(37)が中堅フェンス直撃の逆転3点二塁打を決めた。

リリーフ陣は3回以降ゼロ封リレーを続け、最後は栗林が耐えた。指揮官としては3試合目で甲子園初星となり、3連敗を阻止。阪神時代の古巣でもある聖地での初勝利に「普通にうれしい。選手から3連敗だけは絶対にしないという気迫が伝わってきた。今日の勝ちはチームを成長させると思う」と胸を張った。

▽広島松山(2点を追う4回1死満塁で代打登場し、走者一掃の逆転3点二塁打で通算501打点に)「(準備は)結構急ぎでしたけど、いつでもいけるようにしていました。とにかく抜けてくれと思っていました」