真意はさておき、西武中村剛也内野手(39)は「そんなに深く考えてないですよ」と笑う。初回、外崎の併殺で先制機がついえかけた。気にしない。2死三塁。楽天田中将の初球148キロを、力まずに左翼席へ放り込む。プロ通算459号の今季5号先制2ラン。「まあまあですね」という弾道で、結果的に試合を決めた。

あと「1」で前人未到の通算2000三振となる。「もうちょっとで2000個目なんで」と知ってはいる。お立ち台で「40代で30本以上は3人しかいない」と問われた。そのデータも「そりゃ知ってますよ」と答える。積み重ねた経験の分、深まる数字。田中将からはこの日を迎えるまで、77打席で23三振だった。この日で24個目の三振を喫することはなく、むしろ通算8本目のアーチでチームを勝利に導いた。

三振には「悔しいけど、悔しくないです」と独特の言葉を残す。最後までバットを両手で握り、振り切る。その先にある紙一重の両極で、おかわり君は魅了し続ける。この日の8回、第4打席の相手は宮森。大飛球にファンはわいたが、中村は打った瞬間に中飛と知っていた。「ただの打ち損じなんで。ちょっとこすってしまったというか、薄く当たってしまって」。美しいホームランアーチストとして知られるが「最近、別にそんな好き嫌いないので」と弾道へのこだわりも薄れた。いつも「打てて良かったです」と淡々と話す。それを繰り返して、とんでもない数字になった。【金子真仁】

■マキノン、試合決めた2ラン

8回、マキノンの2ランが試合を決めた。田中将に2回以降うまくかわされただけに、松井監督も「非常に大きな2点でした」と評価した。3番外崎が粘っての安打で出塁をしたのが最終的に効いた。外崎は終盤の打席での好打が目立つことには「特に」と笑いながら「中継ぎの投手は球が強いので、それをしっかりと。状態がいいのはありますね」と話した。

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