西武のタフネス右腕、平井克典投手(31)には3歳になる長男がいる。

「いや~、ほんとかわいくてしょうがない。好奇心旺盛というかヤンチャというか。定期的にやらかすんですけどね」

似顔絵を頼めば、あごには点々とヒゲを描き入れる職人肌(?)だ。最近、パパの仕事が野球だということを分かり始めた。「今日、野球行くの~?」。そうやって送り出される日もある。

妻子でテレビ中継を見ることも多いという。6日、7日と連日の好リリーフ。前日のホールドに続き、この日は味方の勝ち越しもあって、今季初めて勝利投手にもなった。

「まぁ、はい。なんとか、はい」

そう言って照れ笑いする。直球が走り、いわゆる勝ちパターンの7回を任されることも増えた。

「今のところ任されている以上…任されているというか、登板機会が多いので、そこは1年間守り抜けるようにやるだけかなと」

長男はまだ知らないかもしれない。パパにはマウンド以外でも大事な役割がある。

「みんなのほほんとして、バラバラのことしてるんで」とブルペンの様子を笑って話す。でも心は1つ。その空気を作るムードメーカーだ。

「先発がいい時は僕らも助けられますし、先発が早く下りた時は僕らがなんとか助けていければいいんで。そこはほんと、持ちつ持たれつなんで、お互い助け合って」

佐藤隼ら若いリリーフ陣も増えてきた。

「いい時もですけど、打たれたりすると落ち込むと思うので、そこはサッと声かけて。いい時悪い時、いろいろ知ってるので。経験させてもらったんで。経験している以上は若い子にはどんどん、アドバイスじゃないですけど、次だよっていうちょっとした声掛けられたらとは思ってます」

今年の個人目標は「60試合くらいは投げられたらベストかな。ホールドと防御率もこだわっていけたら」と話す。ここまで5ホールド、防御率0・77。安定感の高い投球が続く。

だからこうやって、たまには白星も転がり込む。ウイニングボールはしっかりカバンに詰め込んだ。

「やんちゃ坊主に持って帰りますよ」

ゴールデンウイーク最終日。こどもの日から2日遅れたが、いい大阪土産だ。【金子真仁】