日本ハム新庄剛志監督(51)が、思い出の地でのサヨナラ負けを悔しがった。

ソフトバンク戦(リブワーク藤崎台)は9回、3番手のブライアン・ロドリゲス投手(31)が与四球から1死二塁とピンチを招き、最後は内野安打と守備の乱れで決勝点を奪われた。今季4度目のサヨナラ負け。24年前、同地で投打二刀流出場を果たした新庄監督だが、白星を挙げることはできなかった。

遊撃を守っていた上川畑は、すぐには立ち上がれなかった。9回1死二塁。二遊間を抜けようかという打球に追い付いたまでは良かったが、捕球したはずのボールがグラブからポロリ…。二塁にいた“世界の周東”が、悠々とサヨナラのホームを駆け抜け、0がずらりと並んだスコアボードに、この日、初めて「1」を刻んだ。

試合後、新庄監督は開口一番「フォアボール…周東君へのフォアボールが、あれは防げたかな」と悔しがった。「地方球場ならではの負け方ですよ。(決勝点につながった遊撃内野安打は)難しい打球で…仕方ないかな」と、今季早くも昨季に並ぶ3失策目を記録した上川畑をかばう一方、敗因は「フォアボールですよ。オレの大嫌いな」と振り返った。

3月のWBC準決勝、メキシコ戦でサヨナラのホームを踏んだ侍ジャパンが誇る俊足、周東に出塁を許した時から、敗戦へのカウントダウンは始まっていた。「もう(ソフトバンクが)バントしてくれと思ったもん」と願ったが、クイックを苦手とする外国人投手相手に、走ってこないわけがない。先発の伊藤が粘り、ベテラン宮西が完璧な救援でつないだが、2連勝はならなかった。打線も大関の前に今季2度目の1安打と、ほぼ完璧に抑えられ「地方球場なのでガンガン動かそうと思ったら…。こういう地方球場の時って、エンドランが生きてくるんですよ」と、肩を落とした。

現役時代の99年、オープン戦で投打同時出場した思い出の地で、勝利はつかめなかったが「明日、明後日と取る気持ちは、めちゃめちゃあるので」と、元気は失っていない。毅然(きぜん)と顔を上げ、10日以降の勝負を見据えた。【中島宙恵】

■今季1軍初出場 中島卓也「めちゃめちゃ緊張」

○…中島卓也が今季1軍初昇格し、8回に代走で途中出場した。声出し応援が解禁になって初めての1軍出場となり「ファンの人が入って、久しぶりすぎてめちゃめちゃ緊張しました」と振り返った。野手の故障者が相次ぐ中、実績のあるベテランの役割は大きくなる。「出るとなったらああいう緊迫した場面で出る。冷静に状況判断して、出た時はしっかり勝利に貢献したい」と活躍を誓った。

■伊藤大海7回5K無失点「次につながる」

○…伊藤大海が7回7安打5奪三振で無失点に抑えた。最終7回は2死一塁で近藤から空振り三振を奪うとガッツポーズでベンチに戻った。前回対戦では本塁打を打たれていただけに、「気持ちを入れて投げました」。打線の援護なく勝敗はつかなかったが「要所で粘れたので、次につながるピッチングができたかなと思います」と、次戦を見据えた。

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