故障者続出の日本ハムで、高卒3年目の細川凌平内野手(21)を“第3捕手”として育成する計画が、ひそかに進行中だ。捕手練習を始めて約1週間。現在、1軍には3人の捕手がいるものの、アリエル・マルティネス捕手(26)がDHで出場した場合、控えが1人になっていた。本職は二塁や遊撃の細川だが、小学生のころに捕手を経験している。チームの緊急事態に備え、自らの出場機会増にもつなげる。

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本拠地エスコンフィールドのブルペンに、見慣れない光景が広がっていた。14日ロッテ戦の試合前練習。ルーキー矢沢のボールを受けていた捕手の背中には「56」。借り物で固めた防具姿は、どこかぎこちない。それもそのはず、キャッチャーミットを構えるのは二塁や遊撃が本職の細川だ。「キャッチャーでボールを受けるのは久しぶり。プロだと変化球のスピードについていくのが大変だなと思いました。時間がある時に練習はしていたんですけど…難しいっすね」と、苦笑いした。

首脳陣からの指示で、ひそかに捕手練習に取り組むようになったのが、今月7日。チームは1、2軍とも故障者が続出しており、捕手陣も今月6日楽天戦(エスコンフィールド)で、大卒2年目の古川が負傷したばかり。現在、1軍には3人の捕手がいるものの、打撃好調のマルティネスをDHで起用した場合、控え捕手が1人になるという問題があった。“第3捕手”として細川を育成することで、緊急事態に備えようというわけだ。

小学生時代は「ずっとキャッチャーだった」という細川。プロ入り後に捕手として本格的な指導を受けるのは、初めてだ。現役時代、内野だけでなく捕手もこなした飯山内野守備走塁コーチからは「『(大事なのは)気持ち』と言われました」と、背中を押された。高卒3年目の元気印は「光栄なこと。自分のバリエーションを増やしていけば出場機会も増える。チームにとって必要な存在になれたら」。新たな挑戦に気合十分だ。【中島宙恵】

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