阪神原口文仁内野手(31)が、今季初の決勝打で逆転勝利の立役者となった。

「トラフェス」の一環で、大人気アニメ「ワンピース」のテーマ曲「ウィーアー!」の登場曲をバックに、1-1同点の6回2死一塁から代打で出場。追い込まれたが和田の低め143キロ直球をたたき、左中間最深部を破った。一塁走者中野が快足を飛ばし、気迫のヘッドスライディングで生還。ベンチの岡田監督も満面の笑みで両手を上げて喜び、二塁に到達した原口の殊勲打をたたえた。

「なかなかいい場面でヒットが出てなかったですし、そういう中でいい場面で1本出て、少しチームに貢献できたのはよかったです。(中野)拓夢もよく走ってくれたと思います」

値千金の勝ち越し二塁打は、開幕カードの4月2日のDeNA戦(京セラドーム大阪)で代打で2ランを放って以来、出場21試合ぶりのタイムリーだった。今季は開幕から代打で出場を続けていたが、不振で5月末に1度出場選手登録を抹消。今月9日に1軍再昇格を果たした。再び代打の切り札として勝負どころの打席を託され、期待に応えてみせた。

ファームでは「強く振る」ことを念頭に、練習、打席数を重ねてきた。「(2軍に)下がる前はどうしても打ちたくて、当てにいくフォームだった」。和田2軍監督やファームの打撃コーチの助言をもとに打撃を修正。「(2軍首脳陣と)いろいろ話す中で振り返る時間があった。いい時間でした」。勝負強さを取り戻し、最高の結果を出した。

お立ち台では周囲のへの感謝を口にした。「なかなかヒットが出ない中で、やっぱりヒット1本の重みはすごく感じる。多くの人のサポートをいただいて、こういういい1本が出たのはすごくうれしい。このまま出していけたら最高だと思います」。ここから打ちまくる。【古財稜明】

 

○…阪神中野が効果的な2安打でチャンスメークした。4回無死一塁ではエンドランで遊撃の右へ転がし、三遊間を抜く技あり打。ミエセスの同点犠飛を呼んだ。6回は先頭で左前打を放ち、原口の二塁打で勝ち越しホームを踏んだ。「(6回は)なんとか塁に出て、チームに勢いをつけたいなって気持ちはあったので。久々に自分らしいヒットが出たかな」。6日の楽天戦以来9試合ぶりのマルチ安打が勝利を呼び、納得の表情だった。

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