沖縄での勢いに乗りたかった西武が、ソフトバンクとの初戦を落とした。

8回までマスクをかぶった古市尊捕手(21)は「勝ちたかったですけど、勝ちきれなかったですね」と悔しさをにじませた。

3回2死満塁から、ソフトバンク柳町に逆転2点適時打を打たれた。「初回も丁寧に行き過ぎちゃったんですけど、3回は柳町選手への2球目ですね。ファウルの後、あっさり行っちゃったのが反省点です」。

念願の支配下選手になり、次は必死にレギュラーを目指す立場にある。「少ないチャンスをつかんでいかないとレギュラー取れないので、今日みたいじゃダメっすね」。捕手として勝てなくて悔しい。

打席での登場曲がいつもと違った。大事MANブラザーズバンドの「それが大事」が流れた。岡田雅利捕手(34)の登場曲。6月30日、この日は岡田の34歳の誕生日だった。

通算325試合出場の岡田は今年3月に左膝の手術をし、来春の復帰を目指している。本人は「プロ野球界でも初めてくらいの手術」と明かし、リハビリも大変だ。5月の練習開始当初は、イスに座りながらのティー打撃だった。焦らず、強度を少しずつ上げている段階にある。

古市にとって大事な先輩の1人だ。「1年目のキャンプでマンツーマンでキャッチング教えてもらいました。配球とかでけっこう悩んでいる時に、教えてもらったり」。支配下登録の際も、1軍昇格の時も、お祝いの連絡をくれた。

そんな先輩の誕生日。負けたけれど、引きずる時間はない。「とにかく必死に。今は先のことは考えていないので」。自分を信じ抜くこと。大事な時間を過ごす。【金子真仁】

【プロ野球スコア速報】はこちら>>