阪神近本光司外野手(28)が4日、「右肋骨(ろっこつ)骨折」のため出場選手登録を抹消された。2日の巨人戦(東京ドーム)で左腕高梨から右脇腹付近に死球を受けていた。前日3日に兵庫県内の病院で診断を受け、マツダスタジアムでのゲームに備え広島入りしていたが、離脱は避けられなかった。

絶対的なリードオフマン不在の攻撃面はもちろん、2年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得した中堅守備力を欠く不安も、チームにとっては大きい。

近本がプロ1年目の19年から今季ここまで、チームはレギュラーシーズン622試合を戦っている。そのうちの595試合で、近本は中堅でスタメン起用されてきた。割合にして実に約96%。文字通り、替えのきかないレギュラーとしてチームを支えてきた。

不振によるスタメン落ち、21年シーズン終盤には右ハムストリングに張りを訴えて3試合欠場、昨季は新型コロナウイルス感染による一時離脱などがあったものの、基本的に「近本不在の中堅」は、ここ5年間、阪神にとっては考えにくかった緊急事態となる。

その象徴として今季、試合前のシートノックで中堅を守るのはほぼ近本しか見られない。近本以外の選手が両翼に集まるシーンは、当たり前の光景だった。キャンプでは島田海吏外野手(27)、熊谷敬宥内野手(27)らがノックを受けるシーンも見られたが、島田は今季右翼での出場が主。熊谷は内野が本職だ。

代役中堅は誰になるのか。近本入団の前年となる18年に8試合で、中堅でスタメン出場している島田が候補の1人になりそうだ。また、東海大相模(神奈川)、中大で中堅のレギュラーを務めた経験のある森下翔太外野手(22)の中堅起用も、プランの1つに挙がる可能性もゼロではない。いずれにせよ、近本の「穴を埋める」ことは至難の業。緊急事態は全員でカバーするしかない。【阪神担当 中野椋】

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