日本ハム田中正義投手(28)が、マイナビオールスターゲーム2023(19日=バンテリンドーム、20日=マツダスタジアム)に監督推薦で初選出された。ソフトバンク時代は右肩、右肘の故障などで結果を出せなかったが、日本ハムに移籍して才能が開花。今季は守護神に定着して初セーブだけでなく、初勝利も挙げた。プロ7年目で、晴れ舞台に立つ。

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苦労人、田中正が夢の舞台に足を踏み入れる。この日、監督推薦選手で球宴出場が決まり「選んでくれた(パ・リーグ監督のオリックス)中嶋監督

に感謝しています。自分の思いきったプレーができたらいいなと思います」と意気込んだ。

7年目にして届いた吉報だ。FA移籍した近藤の人的補償でソフトバンクから加入。キャンプ中は先発候補として調整も結果を残せず、中継ぎで開幕を迎えた。「正直、テレビの向こう側の世界っていう感じ。シーズンが始まる前はまさか僕がオールスターに出場できるとは思っていなかったので、すごくありがたい」。4月26日オリックス戦で涙の初セーブ。既に14セーブを挙げるなど、北の守護神としての地位を築き上げたことが、評価された。

バンテリンドームで行われる1戦目の19日には、29歳の誕生日を迎える。「すごくラッキーというか、感謝の気持ちを持ってプレーしたい。出場自体が僕にとってプレゼントなので、それをかみしめながら、野球をしたい」。20代最後のバースデーは、野球人として忘れられない1日になりそうだ。

当然、武器のストレートを披露するが、ただの力勝負で終わらせるつもりはない。「僕の持ち味は力で押していくピッチングなので、それをたくさんのお客さんにお見せできたら。全球直球? それだとイニングが終わらないので、しっかり無失点で帰って来られるようにしたい」。力と技を絡めてセ・リーグの好打者を抑え、存在感を示す。

交流してみたい選手にはロッテ佐々木朗を挙げた。「どんな体をしているのかは見てみたい。(技術的な面も)もし話せる機会があれば、話してもらえたら。もらえたらというか、僕が質問しにいこうかなと思います」。“球宴ルーキー”として謙虚に7歳下の「令和の怪物」から学び、さらなる進化につなげる。【永野高輔】

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