夏の甲子園大会決勝は、日本ハム郡司裕也捕手(25)にとって“胸熱”なカードとなった。慶応でプレーした兄の影響で同校を目指したが、高校の推薦入試で不合格に。進学した仙台育英で4番として15年夏に甲子園で準優勝し、その後、慶大に進んだ。「ファイターズでも、母校が勝ち残っているのは僕だけ。励みになっています」と後輩の活躍に胸を躍らせ「ぜひとも2連覇していただきたい」と、エールを送った。

高校時代は自主性が尊重され、練習メニューも自分たちで決めていた。今でも、夏の甲子園後、準優勝を祝うため「スター凱旋(がいせん)みたいな感じで」仙台駅を埋めた群衆が忘れられない。2年連続で決勝の舞台に進んだ後輩の姿に「めちゃくちゃ強い。すごく洗練された野球をしているので驚いています」。

自身は既にキャリアハイの33試合に出場。7月2日オリックス戦で初の1試合3安打を放つなど、移籍後は3度の猛打賞を記録したが、直近3試合は1安打と元気がない。最近では出場機会を増やすため、野球人生で初めて二塁守備にも挑戦中で「バッティングを期待されてのこと。プラスに捉えています」。残り32試合。「最初の勢いを取り戻せるように頑張ります」。後輩に負けじと大爆発を誓った。【中島宙恵】