阪神岡田彰布監督(65)が25日、阪神などで活躍し75歳で亡くなったことがわかった古沢憲司氏を偲んだ。

東京ドームでの巨人18回戦の練習前に思い出をユーモアも交えながら語った。

現役時代は一緒にプレーしたことはないが、広島の投手として対戦。岡田監督が98年に2軍助監督兼打撃コーチとして阪神に戻ってきてからは、2軍首脳陣として一緒に若虎を育てた。

「最初の時、ケンカしたわ」と98年の安芸キャンプ中に古沢氏と口論になったことを明かした。サブグラウンドでの投内連係練習で遊撃手の入り方を岡田打撃コーチが指導したところ、古沢投手コーチが「越権行為だ」と指摘し、もめたという。その夜「夜間練習後に(古沢氏の)部屋に乗り込んで、それで和解したんや」と笑った。

99年から2年間は2軍監督と投手コーチとしてともにユニホームを着た。「熱いどころじゃないよ。乱闘になったら一番に(飛び出して)な」と熱血漢を懐かしんだ。

岡田監督がセ・リーグを制覇した05年には広島のドミニカカープアカデミーコーチ時代の古沢氏が、たまたま日本に戻っていた時に広島市民球場で会い「監督、やったなあ。やると思ったけど、やっぱり優勝したなあ」と祝福されたという。岡田監督が「ドミニカはどうですか?」と尋ねると古沢氏は「パチンコ屋がないから暇や」と笑わせたという。

「ずいぶん前から、ガンで体が悪いとは聞いてたけどな」。年賀状のやりとりは続いていたが、近年は会えなかった。