日本ハム吉田輝星投手(22)が今季初昇格し、自身の“開幕”を完璧な投球で飾った。8回に3番手で登板し、最速149キロの直球を主体に2奪三振を含む3者凡退。新庄監督も投げっぷりの良さを再評価し、今後はリードした展開での起用も示唆した。自称“夏男”が、晩夏に今季12度目の完封負けを喫したチームの重苦しさを振り払う熱投で、気合を注入した。

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吉田の肉体は湧き出るアドレナリンで充満した。8回、5点リードで活気づく西武ファンの声援の中で今季初登板。昨年9月28日ロッテ戦以来、331日ぶりの1軍マウンドは「やっぱり自然とテンションが上がってくる。僕、そういうタイプなので」とエネルギッシュにスイッチを入れた。

先頭の3番マキノン、4番渡部をストレートで連続三振を奪う姿に「おぉ~」と球場全体がざわめいた。5番外崎も147キロ直球で三ゴロ。11球中、変化球はフォーク2球だけ。2軍で練習したカットボールやカーブなどは投げない、真っすぐとフォークのみのストロングスタイルだった。

吉田 ファームで練習していることと全然違うピッチング内容でしたけど、あのスタイルでいけるならいい。被打率の一番低いストレートに、ちょっと混ぜられたらいいかなっていう意味で変化球を練習したんですけど、今日は要らないくらいの出来だった。

将来の先発ローテ入りの目標は掲げたまま、2軍では中継ぎとして、先発でも生かせる投球を磨いてきた。新庄監督も「今日の投げっぷりを見たら、勝っているゲームでも面白いっちゃ面白い」と再評価した。

今後の可能性も広げた吉田は「だいぶマイナスから1軍生活が始まっていますけど、ちょっとは前進できたんじゃないかなと。気を緩めず、これを最低限くらいだと思ってやっていきたい」。昨年は「夏ですから、僕の季節です」と言った得意のサマーシーズン終盤に駆け込んだ1軍。残り少ないレギュラーシーズンを1軍で駆け抜け、未来へつなげる。【木下大輔】

 

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