ドキドキのはじめてのセカンドでした-。日本ハム郡司裕也捕手(25)が、野球人生初の二塁手でスタメン出場。6回途中で交代するまで2度の守備機会を失策ゼロでこなした。打撃力を期待して二塁起用に踏み切った新庄剛志監督(51)は、今後も人工芝の球場限定で、試していく意向を示した。

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心配いらないぜ-。顔は平静を装っていたが、体は正直だった。最初の打球は2点リードしている2回2死二、三塁のピンチで訪れた。「1発目えぐいのきました。とっさに出たのがキャッチャーの動きだった」。正面への打球だったが、体はガチガチ。何とかアウトにし「むちゃくちゃうれしかったです。ほっとしました」と振り返った。

新庄監督が予告した通り、この日は「7番二塁」で先発メンバーに名を連ねた。13日には移籍後初の左翼に入り、翌14日には二塁の守備練習に入った。目まぐるしく変わるポジション。「レフトにつく時も監督は『(ミスしたら)オレのせいだから』と。セカンドでも監督のせいにさせていただきます」とおどけていたが、本番のプレッシャーは半端ではなかった。前日には指揮官からメッセージが届いた。「内容は言えませんが、落ち着かせてくれた」。細やかな気遣いが、支えとなった。

グラブは上川畑から借りた。「すごい捕りやすいです」。4回1死では、走者もなく、落ち着いて処理。同点に追い付かれた6回無死一、二塁となった時点で奈良間と交代した。

新庄監督は「人工芝以外はまだ考えてないし、練習を積み重ねていって、ちょっと厳しいかなと思ったら、また違うこと考えたらいい。やらせる価値はある」と今後も試す意向を示唆。郡司は「ボスも試行錯誤してくれているので期待に応えられるようにしたい」。手に汗握る体験が、新たな可能性を開く。【永野高輔】

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