西武の宮本ジョセフ拳外野手(24)が「去年のフェニックス以来です」という本塁打を放った。

7番二塁でスタメン出場し、7回の第3打席に左翼席へ1発。「バットがスパッと出てきたっす。球はあまり狙ってなくて、軌道をイメージして、スパッといった感じです」と笑った。

ガーナ人の父と日本人の母を持ち、高い身体能力を期待されて育成選手として入団し、3年を終えた。今月4日には戦力外通告を受けたが、球団は新たに育成契約を結び直すことを検討しており、ジョセフにとってもアピール必至の秋だ。

右投げ右打ちでプロ入りし今、本格的にスイッチヒッターに取り組んでいる。「練習は左右で5対5ですけど、左の方が打席数多いので6対4になったり」。走攻守とまだ確実性に課題があるものの、底なしに明るいキャラクターも含め、存在感は確かだ。

細かく分けた毛束を編み込む「ブレイズ」という髪形をしていたが「フェニックス仕様です」と、このリーグから「コーンロウ」と呼ばれるヘアスタイルにチェンジ。かつて近鉄、巨人などでプレーしたタフィ・ローズを思わせるビジュアルで、気分一新で挑む。

いきなりの結果も出てテンションをさらに上げていきたいところだが「ホームランバッターじゃないのでたまたまですけど」と案外冷静だったりも。ただ、緊迫の立場でも変な緊張感がないのはさすがだ。

「アピールもそうなんですけど、でももう、楽しみます!」

その活躍でチームに華やかさをもらすことのできる存在だ。【金子真仁】