ロッテ石川慎吾外野手(30)が29日、ドラフト会議を経て来季入団する選手へシンゴ流「新天地でのススメ」を明かした。

この日はZOZOマリンスタジアムで秋季練習に参加。フリー打撃と外野ノックで汗を流した。ノックでは同じ外野手の岡と30本捕球するまで練習が終わらない「捕り30」を敢行し、右へ左へ、前進や背走を繰り返し打球を追った。

石川慎は東大阪大柏原から11年ドラフト3位で日本ハムに入団。16年オフにトレードで巨人に加入し、移籍1年目から99試合に出場するなど勝負強い打撃から「ダイナマイト慎吾」と愛された。今季7月に再びドレードでロッテに移籍すると、44試合で打率3割4分8厘をマークし存在感を示した。プロ野球生活12年で3球団を渡り歩いた男がプロの舞台に挑む若者にエールを送る。

同期入団の高卒選手には、後に日本球界を代表する選手がそろっていた。石川慎の他に日本ハム選手会長の松本剛、今季首位打者&打点王の近藤(現ソフトバンク)、そしてポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を表明した上沢。千葉・鎌ケ谷で白球を追った日々を「僕もそうでしたけど、(松本、近藤、上沢は)自分の主張ばっかりのほんまに生意気なクソガキでした。でも彼らはめっちゃ努力してました。僕が一番近くで見てきた自負もあるし、だからああいう成績を残してるんだと思います」と12年がたった今もその姿を鮮明に記憶している。活躍の秘訣(ひけつ)は「本人の努力」と端的に答える。1人ずつ名前を挙げながら懐古すると「(近藤、松本剛は)首位打者でしょ?(上沢)はメジャー挑戦でしょ?俺らの高卒すごない!?」とまるで10代の青年のような笑顔がはじけた。

26日に行われたドラフト会議の話題になると表情は引き締まった。新たに「プロ野球」という環境に10代、20代の選手が飛び込む。

環境が変わっても大事なことは「自分らしく」がシンゴ流だ。「やってきたこと以外は出せないし、自分の持ってるもの以上を出そうと思っても無理なので、自分のできることに集中するっていうところを僕はしてましたね。でも、若い時ってやっぱり背伸びするし、いいとこ見せようって思うのも、その気持ちもすごくわかるので、やりたいようにやれば良いと思います」と若き日の自分を思い出しながら言葉を紡いだ。

18歳でプロ野球選手になった生意気な“クソガキ”4人は本年度30歳を迎える。「今同期にあの3人がいることが一番誇れること」と盟友の存在を自慢する石川慎もまた、どのユニホームを着ても自分らしく、思いのままにバットを振り込んできたに違いない。【黒須亮】

【関連記事】ロッテニュース一覧