令和の石原裕次郎になれ。ソフトバンクからドラフト3位指名された慶大・広瀬隆太内野手(4年=慶応)が4日、横浜市内の同大グラウンドで福山龍太郎アマスカウトチーフと松本輝スカウトから指名あいさつを受けた。

幼稚舎(他校の小学校に相当)から慶応に通う選手がプロ野球選手になれば初で、福山チーフは「品のある子。立派な眉毛は昭和のスターみたい」と評価。俳優の石原裕次郎さんを思わせる風貌に「令和のスターになってほしい」と新人王、本塁打王よりはるかに高い目標が課された。

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広瀬は毎朝、立派な眉毛を「チャームポイントだと思います」と整えている。この日はいまひとつの出来で「もう少しいいものが見せられると思います」と入団会見までの調整を誓った。福山チーフから大スター石原裕次郎さんの画像を見せられると「ハードル上がっちゃいますね」と苦笑いも、プロ野球で負けないような活躍を見せるつもりだ。

広瀬のスター化計画は「打てる二塁手になってほしい。希少ポイントでやってほしい。センターラインで打てる選手は重要性が高まる」という福山チーフの要望に表れている。広瀬も楽天浅村を具体的目標としており「プロ野球でも希少な存在になれると思う。そこを目指したい。引退してからも練習していく」ときっぱり答えた。ソフトバンクは、くしくも新監督に就任した小久保裕紀、井口資仁と「打てる二塁手」が黄金時代を築いてきた。

ルーキーイヤーの目標を「新人王を取りたい。ホームランを30本打ちたい」と掲げた。将来的には本塁打王を狙う。球団で同タイトルは今季の近藤健介に続くが、右の日本人では95年小久保以来となる。「すごく難しいが、高いレベルを目指したい」。既にYouTubeで球団施設をチェック。大学の先輩、正木智也外野手、育成の佐藤宏樹投手からも「厳しい世界だけど頑張って」と激励されたという。

ウエートトレーニングで鍛え、長打力には自信がある。特筆すべきは打球速度。広瀬は打撃練習でラプソードを使って計測すると「汚い練習用ボールを使ってですが、打撃練習で170キロ台前半でした」。ソフトバンクは映像を元に球団で独自で解析した。福山チーフが「球団では柳田(悠岐)の次にくる」と言う数値。長打力自慢のリチャード内野手、笹川吉康外野手を超えており、今季の同球団がリストアップしたアマチュア選手では1位の数値どころか「近年でも断トツ」という。

幼少期からプロ野球を目指していた。小学校から慶応に通っているが「とにかく野球が好き。プロを目指していた」。一流企業に入れるであろう一般就職には目もくれず、ドラフト指名されなければ社会人野球というセーフティーネットも用意してなかった。指名がなければ「就職浪人してシューカツ(就職活動)しようと思っていました」と根性が座っている。東京6大学通算20本塁打の大砲は、長打力を武器に、九州から令和のスターへと駆け上がるつもりだ。【斎藤直樹】

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