目指すは令和の裕次郎だ。ソフトバンクからドラフト3位指名された慶大・広瀬隆太内野手(4年=慶応)が4日、横浜市の同大グラウンドで福山アマスカウトチーフと松本輝スカウトの指名あいさつを受けた。幼稚舎から慶応に通う選手のプロ入りは初で、同チーフは「品のある子。立派な眉毛は昭和のスターみたい」と評価。OBの俳優石原裕次郎さんを思わせる風貌に「令和のスターになって」と高い目標が課された。

広瀬は毎朝「チャームポイント」という太い眉毛を整えている。福山チーフから裕次郎さんの画像を見せられると「ハードル上がっちゃいますね」と苦笑いも、まずは新人王&30本塁打を目標に掲げ、スターダムにのし上がる覚悟だ。

スター化計画の肝は守備位置にある。「打てる二塁手になってほしい。希少ポイントでやってほしい。センターラインで打てる選手は重要性が高まる」と同チーフは要望。広瀬も「プロ野球でも希少な存在になれると思う。引退してからも練習していく」と答えた。小久保、井口と続いた「打てる二塁手」の系譜を継ぐ。

ウエートトレーニングで鍛え、長打力に自信を持つ。特筆すべきは打球速度。ラプソードで計測すると「汚い練習用ボールを使った打撃練習で170キロ台前半でした」。ソフトバンクは映像を元に球団独自で解析。同チーフが「球団では柳田の次にくる」という数値で、リストアップしたアマ選手で1位どころか「近年でも断トツ」。東京6大学通算20本塁打の「隆ちゃん」が、長打を武器に慶大の大先輩を追いかける。【斎藤直樹】